JAの活動:今さら聞けない営農情報
コンプライアンス11 肥料取締法その3【今さら聞けない営農情報】第69回2020年9月18日
前回、肥料取締法の成り立ちと、肥料には「普通肥料」とそれ以外の「特殊肥料」があること、普通肥料には、「公定規格」が定められて肥料の品質が保たれていることを紹介しました。
今回は、この公定規格に合致していることを示す保証票について紹介します。
公定規格に適合している肥料であれば、農林水産大臣あるいは都道府県知事の登録を受けて、肥料の生産や輸入することができますが、公定規格もなく、指定配合肥料(普通肥料のみを原料として登録を受けたもの)にも該当しないものは、生産、輸入することができません。
この公定規格に適合しており、肥料成分の含有量を保証できる製品であることを示すものを「保証票」といい、肥料の製品に貼付されています。
保証票には、肥料の登録番号、肥料の種類、肥料の名称、保証成分量、正味重量、生産した年月、生産業者の名称及び住所、生産した事業場の所在地などを記載することになっています。
特に重要なのは、肥料の機能を決定づける保証成分(肥料の有効成分)です。
この有効成分には、窒素、りん酸、加里といった主要3成分の他に、微量要素まで多数ありますが、保証票に記載できる有効成分は、窒素、りん酸、加里、石灰、苦土、マンガン、けい酸、ほう素の8成分に限られます。これは、肥料取締法が、肥料の品質を保つことを主目的にしていますので、肥料としての有効成分すべてについて規制しようとはしていないためで、微量要素など作物の生育に有効な成分であれば、保証票に記載できる8成分以外のものが含まれていても肥料製品としては問題ありません。
この保証票に記載されている保証成分量とは、含有される成分の最低限の量を示しており、農水省等の立入検査で肥料成分を分析した結果、成分量が保証成分量を下回っている場合は、保証成分量不足として肥料取締法違反になります。これに対して、保証成分量以上の肥料成分が入っている場合は、いくら上回っても肥料取締法違反とはなりません。これは、水溶性りん酸など有効成分によっては、肥料製品を保管中に有効成分の性質が変化する恐れがあるため、そのような有効成分の場合には、変化する可能性を加味してあらかじめ保証成分量より多目に有効成分を加えられている場合があるからです。
ですので厳密にいえば、このような場合には都度製品に含まれる有効成分分析を行って、施肥設計する必要がありますが、実際の使用にあたっては、そこまでする必要はなく、保証成分量をもとに施肥量を決定しても問題ありません。
なお、汚泥を原料とする場合は、汚泥の性質から原料ごとに含まれる主要な成分が著しく異なるため、「保証成分量」ではなく「主要な成分の含有量」を保証票に記載するように規定されています。
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