JAの活動:今さら聞けない営農情報
コンプライアンス17 空中散布ガイドライン【今さら聞けない営農情報】第75回2020年10月30日
前回、無人ヘリやドローンを農業で使う場合に守らなければならない航空法を紹介しました。
航空法では、物件投下(農薬散布など)を行う際は、事前に承認を受ける必要があることをご紹介しました。
ただ、航空法の場合、上空からの物件投下に関する規定のみで、実際に散布する際に守らなければならないことは規定していません。そのため、空中散布を行う場合に守らなければならないルールとして「空中散布ガイドライン」が出されています。
これは、人畜・環境に配慮した安全な空中散布を行う際に必要なルールであり、違反者への罰則は無いものの、空中散布実施者として守らなければならない決まりです。人の安全、環境の安全のためにもきちんと守るようにしましょう。
その主な内容は以下のとおりです。
【農水省空中散布ガイドライン】
○高速道路や新幹線など、農業用ドローンが落下した場合に非常に危険な事態に陥る可能性がある場所の隣接圃場では使用しない。
○鉄道の線路や道路の近くの圃場で使用する場合は、鉄道車両や自動車等の動きに十分に留意し、常に必要な距離(=30m)を保てるようにする。
○高圧線、変電所、電波塔及び無線施設等に付近ならびに多数の人がWiFiなどの電波を発する電子機器を利用する場所では、電波障害等により操縦不能になることが懸念されるため、それら施設と十分な距離を保って利用すること。
○アルコール等を摂取した状態では、正常な判断ができなくなる恐れがあるので、飲んだら飛ばさない。
○周辺に障害物のない十分な空間を確保して飛行させるように心がけること。特に、飛行速度が出ている時は、航空法で定められている距離(30m)以上に余裕を持った距離を人や物件から取るようにすること。
○他の農業用ドローンとの接近又は衝突を回避するため、他の農業用ドローンを確認した場合には、飛行日時、飛行経路、飛行高度等について他の農業用ドローン使用者と調整すること。
○災害等による被災地周辺での捜索救難機の安全を確保する場合など、飛行自粛等の要請があった際には農業用ドローンの不要不急の飛行は避けること。
○天気予報等で事前に風速、風向を確認するとともに、飛行の前に風速計で風速や風向を計測し、飛行可能な状態か確認すること。
※風速3m/s以下で散布する
○飛行中に突風などが発生して、飛行条件を満たさなくなった場合はただちに着陸させること。
○農薬の効果や機体の電子部品等に影響を与えるような降雨の場合飛行しないこと。
○霧が発生するなどして、機体が目視できない場合は飛行させないこと。また、飛行中に霧が発生して視界が悪くなった場合は直ちに機体を着陸させること。
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