JAの活動:JAアクセラレーターがめざすもの
未来志向で農業の課題解決へ-JAアクセラレーター第2期成果発表会(2)2020年11月17日
◆粉末化で野菜不足解消とロス削減
野菜の粉砕技術を開発し「VegeMe」として消費者への販売をめざす(株)グリーンエース。50種類のレシピを開発し、オンラインのカウンセリングでユーザーにぴったりの野菜粉末を提供する。野菜不足が叫ばれる日本人だが、わが国は200万tもの野菜を廃棄している。「未利用のものを消費者に届け産地振興にも貢献したい」と石川慎之祐代表取締役社長は話す。全農のニッポンエール製品への使用が検討されている。
山崎理事長は「SDGsにも沿う事業。全農との協業も含め大いに期待したい」と話した。
greenase 石川慎之祐代表取締役社長
(紹介記事)
野菜の粉砕技術で廃棄ゼロめざす
◆手押し車の電動化で作業負担軽減
一輪車に補助動力をつけるキット「E-cat kit」を開発した(株)CuboRex。寺嶋瑞仁代表取締役は和歌山県の出身。急傾斜地でのみかん収穫作業の体験から負担や危険を軽減する機器の必要性を考えた。JAありだの営農センターで10月から販売している。本年度400台を目標。キットとして売り出すのは「農家自身が欲しいものを自分で作る社会にしたいため」。作業がラクになれば農業への新規参入希望者のハードルが下がると期待する。山崎理事長は「安定したクオリティとリーズナブルな価格で全国普及を期待したい」と話した。
(株)CuboRex 寺嶋瑞仁代表取締役
(紹介記事)
手押し車の電動化で労力軽減
◆人の魅力で体験型観光
myProduct(株)は、地域に住む農業者や職人などの魅力をもとに体験型の観光プランを作り、その予約決済システムを開発した。地方と都市の新しい接点をつくることを掲げる。小山翔代表取締役は「農業は日本の誇れる観光資源。そのポテンシャルを引き出していきたい」と話す。農協観光と「農泊」で連携して今後も事業を展開する。山崎理事長は「現場の農協などと連携し、農業の魅力を発信し地方創生の取り組みを」と期待した。
myProduct(株) 小山翔代表取締役
(紹介記事)
農家や職人 生き方、こだわりを地域資源に
◆栽培管理アプリで農業のDX
(株)AGRIHUBはスマホで農薬散布回数などが記録できるアプリ「AGRIHUB」を開発した。伊藤彰一代表取締役社長は東京の農家。個人農家が手書きしないで済む農業日誌としてこのアプリを開発した。現在、9000人が使用している。
JA全農のZ-GISとも連携しサービスを提供している。栽培履歴と農地情報が蓄積されることになる。目標は30万ユーザーを獲得し、契約栽培や海外進出などで日本の農業界全体の基幹システムとなることをめざす。山崎理事長は「アプリの普及で生産者とJAを結び、農薬などの出荷管理システムを変革しようという取り組み。デジタルプラットホーム構築にも貢献してほしい」と述べた。
アグリハブ 伊藤彰一CEO
(紹介記事)
日本の農業基幹システムめざす
JA全農 山崎周二理事長
◆広い世界で連携を
全体の講評で山崎理事長はスタートアップ企業に伴走者として助言や支援したJAグループ職員に対して「自分たちのビジネスを見つめ直し、広い世界と多くの人と連携、協業するきっかけとしてほしい」と呼びかけた。閉会のあいさつで農林中央金庫の奥和登理事長はコロナ禍でもオンラインで多くの人とつながって成果を挙げているとして「確実にアグリトランスフォーメーションは始まっている」と話した。
農林中央金庫 奥和登理事長
成果発表会の様子(動画)
※山崎周二理事長の「崎」の字は本来異体字です。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日