JAの活動:今さら聞けない営農情報
みどりの食料システム戦略5【今さら聞けない営農情報】第101回2021年5月22日
今回は、「イノベーション等による持続的生産体制の構築」に示された5つの期待される取組・技術の最後、「バイオ炭の農地投入技術」を紹介します。
バイオ炭とは、「燃焼しない水準に管理された酸素濃度の下、350℃超の温度でバイオマスを加熱して作られる固形物」と定義(2019年改良IPCCガイドラインに基づく)されており、木竹由来の白炭、黒炭、竹炭、粉炭、オガ炭、あるいは、鶏ふん炭などの家畜ふん尿由来のもの、草本由来のもの、もみ殻くん炭などもみ殻・稲わら由来のもの、木の実由来のもの、製紙汚泥・下水汚泥由来のものの計10種がバイオ炭とされています。
バイオ炭は、有機物由来の二酸化炭素を炭化によって難放出性のものに変え、空気中に炭酸ガスが放出されるのを防ぎます。このバイオ炭を土壌の施用することで、二酸化炭素を土の中に閉じ込めることができます。二酸化炭素を蓄えておく能力はバイオ炭毎に異なりますが、一旦閉じ込めると、100年後でも最小で44%(竹炭)、最大で89%(白炭、黒炭、オガ炭)の二酸化炭素を閉じ込めておくことができるとのことです。
実際に、2018年には、バイオ炭の炭素貯留効果による年間二酸化炭素排出削減量は約5000トンと言われ、確実な効果が得られました。
バイオ炭を土壌に施用することで、土壌の透水性、保水性、通気性の改善などに効果があることがわかっており、実際に地力増進法(昭和59年法第34号)の政令では、木炭が土壌改良資材に指定されています。
このように、土壌改良に効果があり、二酸化炭素の排出削減効果を発揮するバイオ炭を効率的に製造し、広く土壌に施用することで、空気中の二酸化炭素放出量を削減することができ、地球温暖化を食い止める一助となると期待されています。
重要な記事
最新の記事
-
米価 過去10年で最高値 60kg1万5865円 対前年比114%2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(2)DX戦略にも地域色拡充2024年7月17日
-
【東京農業大学鼎談】実学主義の価値(3)JAは食・農の好循環先導を2024年7月17日
-
「小さな協同」実践 JA松本ハイランドの自己改革 新世紀JA研究会全国セミナー2024年7月17日
-
「きっトラ」と「もし寅」【小松泰信・地方の眼力】2024年7月17日
-
【訃報】生活クラブ生協連の加藤好一顧問が逝去2024年7月17日
-
【人事異動】農水省(7月16日付)2024年7月17日
-
【注意報】ナシ、ブドウなどに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 三重県2024年7月17日
-
ガチャピン・ムックとコラボ「ニッポンエール」グミ発売 JA全農2024年7月17日
-
日本農業の未来をけん引する人材育成へ 宮城県加美農業高校とNTT東日本グループが連携2024年7月17日
-
唐沢農機サービス「夏の大展示会」開催 200台を超える農機具を展示2024年7月17日
-
【注意報】大型斑点米カメムシ類、カスミカメムシ類による斑点米発生に注意 千葉県2024年7月17日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2024年7月17日
-
「第3回 全国桃選手権」開催 全国から45品がエントリー 日本野菜ソムリエ協会2024年7月17日
-
ハウス栽培向け環境制御システムのラインアップを拡充 クボタ2024年7月17日
-
【役員人事】石巻埠頭サイロ(4月1日付)2024年7月17日
-
葉の光合成速度の低コスト・低労力・高速推定法を開発 農研機構2024年7月17日
-
表参道で佐賀県産「いちごさん」絶品ひんやりスイーツ「いちごさんどう2024夏 」開催2024年7月17日
-
長野県塩尻市と山口県岩国市の歴史的風致維持向上計画を認定 農水省など2024年7月17日
-
生とうもろこしまるかじり 昭和村で農業体験開催 パルシステム群馬2024年7月17日