JAの活動:ヒント&ピント ~JAの広報誌から~
関心引く防災記事を【ヒント&ピント~JAの広報誌から】2021年9月25日
防災、農作業安全、秋は台風のシーズン。「災害は忘れたころにやってくる」と言われるが、昨今は忘れる暇もないほど、一年中、どこかで大きな自然災害が起きている。その都度,「防災」の呼びかけが必要になったが、一方で〝災害慣れ〟もある。切り口を考え、読者の関心を引く防災記事にしたい。自然災害に関する3JAの特集を紹介する。
ポンチ絵で分かり易い
JA遠州中央「ときめきネットワーク」(静岡県)
7月に起きた熱海市の土石流による被害が記憶に生々しい静岡県だけに、JA遠州中央の広報誌が、5㌻使って報じる特集「防災意識を高めよう」は臨場感がある。特集では熱海市の土石流や線状降水帯について図入りで説明し、JA管内でも災害発生の恐れが高まっていることを警告する。
特に災害時の避難情報に触れ、今年の5月に改正となった、警戒レベルごとの避難行動をポンチ絵で紹介している。テレビやラジオなどで繰り返し報じられたことだが、分かりやすい絵になっており、広報誌を見て改めて認識した人も多いのではないか。
「備えあれば...」
JA松本ハイランド「夢あわせ」(長野県)
特集のタイトルが「備えあれば憂いなし~防災について考えよう~」。特集企画の狙いそのものずばりである。8月号の掲載だが、防災の月、9月を意識したものか。タイミングとして、月刊誌である広報誌としては、早め早めの防災呼びかけが基本である。
タイトルの「備えあれば」の通り、防災用品の確認、警戒レベルのおさらい、ポリ袋を使って簡単に料理するパッククッキングは、その材料、作り方をイラスト入りで紹介している。JAの建物更生共済「むてきプラス」の紹介も、さらりと盛り込んである。
豪雨災害から3年
JAえひめ南「みなみかぜ」(愛媛県)
2018年7月7日、愛媛県は西日本豪雨で甚大な被害を受けた。「みなみかぜ」は「豪雨災害から3年」の特集で、復興の様子を伝えている。当日開かれた災害復旧記念式典の様子を紹介しているが、被災地の吉田中学校の生徒が、当時、記念碑に残したメッセージを群読したり、JA職員の指導で土のうをつくったりした。土のうは地元の農家が利用する。
広報誌では、土砂崩れ発生当時の生々しい現場や、復旧後の整備されたミカン園の写真を掲載。いまだ復興途上であることも伝えており、いわばルポ風の記事だが、災害を忘れないための有効な手法の一つといえる。
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