JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは6【今さら聞けない営農情報】第125回2021年11月13日
令和3年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっているようです。そこで、本稿では「有機農業とは何か」をひも解いており、その大本となる有機JAS規格について解説しています。前回までに第1条から第3条「用語の定義」まで終了し、現在、第4条「有機農産物の生産方法」を解説中です。
今回は、第4条の「種菌」です。この項は、きのこ類の有機JAS栽培に使用できる「きのこの種菌」を規定しており、後で出てくる「栽培場における栽培管理」の項とセットで把握しておく必要があります。
有機JAS栽培で使用できるきのこ類の種菌は、有機JASが規定する「栽培場の項」、「採取場の項」、「栽培場における栽培管理の項」、「ほ場または栽培場における有害動植物の防除の項」、「一般管理の項及び収穫、輸送、選別、調製、洗浄、貯蔵、包装その他の収穫以後の工程に係る管理の項」の基準に適合する種菌または、次に示す基準に適合した「種菌」であることが必要になります。
その基準とは、きのこ類の栽培に使用される「原木、おがこ、チップ、駒等の樹木に由来する資材」については、過去3年以上、周辺から使用禁止資材が飛来せず、または流入せず、かつ、使用禁止資材が使用されていない一定の区域で伐採され、伐採後に化学物質により処理されていないものに限られます。
また、きのこ類の栽培に使用する「樹木に由来する資材以外の資材」として、農産物や加工食品、飼料、有機畜産物を使用する場合は、それぞれに規定される日本農林規格の基準に従って栽培または生産されたものに限られます。例えば、有機畜産物とは、日本農林規格に合致した飼料や方法で肥育されや家畜のふんを使用したものに限定されており、生産量が少なく、かなり入手が難しいものもあります。
このため、きのこ類の種菌を培養するために必要な上記のような資材の入手が困難な場合は、栽培期間中に使用禁止資材を使用することなく生産された資材や後に紹介する別表3で定めた資材を使用して培養された種菌を使用することができるという救済措置がとられています。
また、きのこ類を生産する過程で産出される廃ほだ、廃菌床等については、これらを堆肥、飼料等に再利用することにより自然循環機能の維持増進が図られていることや、遺伝子組み換え技術を用いて生産された種菌を使ってはいけないといった条件も入っています。(つづく)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日