JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは7【今さら聞けない営農情報】第126回2021年11月20日
令和3年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっているようです。そこで、本稿では「有機農業とは何か」をひも解いており、その大元となる有機JAS規格について解説しています。現在、第1条から第3条「用語の定義」まで終了し、現在、第4条「有機農産物の生産方法」を解説中です。
今回は、「ほ場における肥培管理」を紹介します。
規格では、「当該ほ場において生産された農産物の残さに由来する堆肥の施用又は当該管理ほ場若しくはその周辺に生息し、若しくは生育する生物の機能を活用した方法のみによって土壌の性質に由来する農地の生産力の維持増進を図ること」となっています。
難しく書いてありますが、有機JAS規格で栽培するほ場に施用できる肥料は、使用禁止資材を一切使用せずに生産した"前作の作物残さを原材料にしてつくった堆肥や緑肥作物"に限るということです。もちろん、堆肥化促進のために、人工的化学物質を原料とする促進剤などは一切使用してはなりません。
また、規格文に出てくる "生物の機能を活用した方法"とは、土壌中に存在する生物(ミミズ、昆虫、微生物)によって土壌中の有機物が分解されたり、生物の活動によって土質が改善されることをいいます。例えば、ミミズが土中の腐葉土などを食べて排泄した糞によって土中の肥沃度が増したり、有機物を求めて土壌中を動き回ることによって、土壌中に適度な間隙を作り出し、ふかふかの良い土壌を作り出すことをイメージするとわかりやすいと思います。
ただし、前述のような肥培管理ができない場合は、別表1に示す肥料(後日詳細を紹介します。バーク堆肥や醗酵鶏糞などが指定されています)を施用することができます。
このような有機JAS規格栽培で使用できるかどうかの判断基準は、別表1に掲げられている肥料や土壌改良材であることと、資材の製造工程において化学的に合成された物質が添加されていないこと、資材の原材料の生産段階において組換えDNA技術が用いられていないものに限ることが絶対条件になります。
又、導入したいミミズなどの生物を自分のほ場やその周辺以外から持ってくる場合も同様の条件が必要になります。 (つづく)
本シリーズの一覧は以下のリンクからご覧いただけます。
【今さら聞けない営農情報】
重要な記事
最新の記事
-
地方みらい共創研究会を設置 農水省2024年12月26日
-
紅葉期のインバウンド、過去最高 旅館・ホテルの業績もV字回復 米需要押し上げ要因にも2024年12月26日
-
キャベツ、レタス、はくさい 「野菜の高値、年明けも」と農水省 12月の低温も影響2024年12月26日
-
米農家の「時給」、23年は97円 農水省・農業経営統計調査から試算 深刻な実態続く2024年12月26日
-
耳開げ、正月、小正月【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第322回2024年12月26日
-
年末商戦の締めくくりは梅【花づくりの現場から 宇田明】第50回2024年12月26日
-
リジェネラティブ農業 テーラーメイド化軸に 「健全な土」から バイエルクロップサイエンス・大島美紀社長に聞く(1)2024年12月26日
-
リジェネラティブ農業 テーラーメイド化軸に 「健全な土」から バイエルクロップサイエンス・大島美紀社長に聞く(2)2024年12月26日
-
【役員人事】石原産業(2025年1月1日付)2024年12月26日
-
JA共済「全国小・中学生書道・交通安全ポスターコンクール」入賞者決定2024年12月26日
-
こども食堂やフードバンクに農畜産物 富山、三重、秋田のJA 地産地消促進で社会貢献、食育も2024年12月26日
-
「年末年始のなす消費拡大フェア」熊本・福岡の直営飲食店舗で開催 JA全農2024年12月26日
-
2025国際協同組合年に賛同する個人・団体の名簿を公開 全国実行委員会2024年12月26日
-
グテーレス国連事務総長の国際協同組合年に向けたビデオメッセージを公開 全国実行委員会2024年12月26日
-
国際協同組合年全国実行委員会が代表・副代表の年始あいさつ動画を提供2024年12月26日
-
福島県産ブランド米「福,笑い」WEBショートフィルム「おじいちゃん篇」公開2024年12月26日
-
過去最多の出店数 知多半島農業マルシェ「にこもぐ」27日に開催 愛知県半田市2024年12月26日
-
2024年度研修No.14「日射比例式灌水システム作成実習」開催 千葉大学植物工場研究会2024年12月26日
-
「日本酒イベントカレンダー20254年1月版」発表 日本酒造組合中央会2024年12月26日
-
適用拡大情報 殺菌剤「ベルクート水和剤」 日本曹達2024年12月26日