JAの活動:ヒント&ピント ~JAの広報誌から~
特集の問題意識を明確に【ヒント&ピント~JAの広報誌から】2021年11月20日
「問題意識」とは、ある事態に対して積極的に関わろうとする心の持ち方・姿勢である。新聞・雑誌、広報誌などをつくる場合、なぜその問題を取り上げたか、どのように取り上げるかによって読者に訴える力が違う。11月のJA広報誌の「特集」から、そうした問題意識が明確な記事を拾った。
「オリザ賞」大賞受賞
JAみやぎ登米「こめにけーしょん」(宮城県)
通常の誌面構成を変更して、「環境保全米づくり」で受賞した登米総合産業高校農業科作物班の活動を紹介している。オリザ賞とは、稲作を通じて農業に貢献している個人・団体を3年に1度表彰するJA宮城中央会主催の表彰制度。オリザとはラテン語で「稲」の学名。
特集としての材料もよいが、表紙を含め5ページにわたる紙面は、広報担当者だけでなく、将来、地域の農業を担う若い高校生と産業高校に対するJAの期待が伝わる。「環境保全米づくりは生徒たちの努力と、地域との連携が育んできた活動と言えます」と結んでいる。
国産スモモ輸入解禁に焦点
JA南アルプス市「JA南アルプス市」(山梨県)
寝耳に水―。産地ではそう受け止められている。米国産スモモの輸入解禁である。農水省は今年の8月19日、輸入解禁を決定し、9月2日には販売が始まった。山梨県南アルプス市は国内でトップクラスのスモモ産地。事前に何の連絡もなく、輸入解禁を新聞で知ったことに産地は怒り心頭。
山梨県知事やJA組合長の談話を掲載するとともに、産地づくりに向けてさらに結束を強めるよう生産者に呼びかけている。TPPを離脱した米国とは日米協定でいくつかの品目が期限付き解禁を約束させられている。そのことを改めて認識させる記事である。
学校給食
JA福岡市「Jam」(福岡県)
「子どもに貴重な食体験を提供する学校給食の意義を改めて見直す」として、市内の小学校のルポ風記事である。栄養教諭から、学校給食についていろいろ聞き出している。
福岡市の小学校144校で、1日約8万食をつくる。メニューは529あり、材料は地産地消を重視。また年ごとにテーマを決めて料理を提供している。今年はオリ・パラにちなんで「世界の料理」。普段はなかなか知る機会がない話が多い。
食生活の乱れが指摘されるなかで「主食・主菜・副菜を組み合わせた食のスタイルの体験は児童にとって、のちのちの大きな経験になる」と栄養教諭の期待を添えている。
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