JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは8【今さら聞けない営農情報】第127回2021年11月27日
令和3(2021)年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっているようです。そこで、本稿では「有機農業とは何か」をひも解いており、その大本となる有機JAS規格について解説しています。現在、第1条から第3条「用語の定義」まで終了し、現在、第4条「有機農産物の生産方法」を解説中です。
今回は、「栽培場における栽培管理」です。「栽培場」とは、「きのこ類の培養場、伏せ込場または発生場所をいう」ので、きのこ類の栽培に関する決まりが書かれています。
きのこ類を有機JAS規格に従って栽培(生産)する際には、次の三つの基準に合致した資材を使用しなければなりません。
まず原文をみてみると、「1 原木、おがこ、チップ、駒等の樹木に由来する資材については、過去3年以上、周辺から使用禁止資材が飛来せず、又は流入せず、かつ、使用禁止資材が使用されていない一定の区域で伐採され、伐採後に化学物質により処理されていないものであること」、「2 樹木に由来する資材以外の資材については、以下に掲げるものに由来するものに限ること。(1)農産物(この条に規定する生産の方法についての基準に従って栽培されたものに限る) (2)加工食品(有機加工食品の日本農林規格第4条に規定する生産の方法についての基準に従って生産されたものに限る)(3)飼料(有機飼料の日本農林規格第4条に規定する生産の方法についての基準に従って生産されたものに限る)(4)有機畜産物の日本農林規格 第4条に規定する生産の方法についての基準に従って飼養された家畜及び家きんの排せつ物に由来するもの」
「3 2の(1)に掲げる基準に従ってきのこ類を生産する過程で産出される廃ほだ、廃菌床等については、これらを堆肥、飼料等に再利用することにより自然循環機能の維持増進が図られていること」となっています。
簡単に整理すると、きのこ類を栽培する時に使う資材は、いずれも日本農林規格第4条(この項で解説中のもの)に定められた基準に従ったものでないと使ってはいけません。となります。加えて、使用済菌床などは堆肥や飼料などに再利用することも盛り込まれています。もし、基準にあった資材を手に入れることができないは、使用してもよい資材等が定められている別表1に示された肥料と土壌改良資材に限り使用できるとなっています。
(つづく)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日