JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは10【今さら聞けない営農情報】第129回2021年12月11日
令和3(2021)年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっているようです。そこで、本稿では「有機農業とは何か」をひも解いており、その大本となる有機JAS規格について解説しています。現在、第1条から第3条「用語の定義」まで終了し、現在、第4条「有機農産物の生産方法」を解説中です。
今回は、「一般管理」と「育苗管理」です。
まず一般管理です。有機JAS規格で定める栽培上の一般的な管理とは、収穫前における『肥料や農薬以外』の栽培管理のことをいい、有機JAS規格に従って植物またはきのこ類を栽培する場合には、その作物や栽培を行うほ場には、使用禁止資材を使用することはできません。
肥料や農薬については第4条の他の項で規定されていますので、この項では、肥料農薬以外の栽培管理技術である種子消毒や種子の比重選、肥料・土壌改良資材、農薬以外の物質のほ場への施用、マルチ資材の利用などが例示されてあげられています。
次に育苗管理です。
有機JAS規格に沿って、有機JAS栽培圃(ほ)場以外で育苗を行う場合は、その育苗場所が、周辺から使用禁止資材が飛来し、または流入しないような防風ネットの施設などの措置を行う必要があります。
また、有機JAS栽培の育苗に使用する用土は、基本的に有機JAS規格の基準に適合したほ場や採取場で採取したものでなければなりません。それ以外の用土を使用する場合は、「過去2年以上の間、周辺から使用禁止資材が飛来又は流入せず、かつ、使用されていない一定の区域で採取され、採取後においても使用禁止資材が使用されていない土壌」である必要があります。このことを開放系のほ場で証明するのは難しいことが多いので、多くは防風ネットなど飛散や流入を防ぐ資材を設置して用土の採取場所を区分しています。加えて、用土に使用する肥料および土壌改良資材についても、有機JAS規格の別表1で定められたもののみ使用することができます。
また、育苗する場所における肥培管理や有害動植物の防除についても有機JAS規格の基準に従って管理を行なわなければなりません。(つづく)
本シリーズの一覧は以下のリンクからご覧いただけます。
【今さら聞けない営農情報】
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日