JAの活動:農協時論
【農協時論】SDGsや地球環境保護で求められる日本農業の役割 須藤正敏・元JA全中副会長2022年3月17日
「農協時論」は新たな社会と日本農業を切り拓いていくため「いま何を考えなければならいのか」を生産現場で働く方々や農協のトップの皆様に胸の内に滾る熱い想いを書いてもらっている。今回は元JA全中副会長の須藤正敏氏に寄稿してもらった。
須藤正敏・元JA全中副会長
2年間も新型コロナウィルス感染症が、私たちの日常生活に与えた影響は、極めて重大である。本来なら今頃は、卒業式シーズンだったり、会社関係では異動や転動で送別会が行われている季節です。 この2年くらいは、なかなか難しく、開くことができない。翻ってみると、私の地元の天神社の境内には、小さな祠があり天保6年(1835年)頃、疱瘡がこの地に大流行し多くの死者を出し、沈静化を願って建立したと記してあります。この様に、昔から人間の力では、如何ともし難い災いが、数百年のスパンで襲い来る、そんな時が、今来ているのだと思うしかありません。
さて、急に下世話な事になりますが、硬貨取扱手数料新設及び両替、金種指定払戻手数料のお知らせというチラシが、私たちのJAから配られ、郵便局(本年1月17日)に続き3月1日から始めるとの事で、いよいよこんな手数料まであてにしなくてはならない程、経営が厳しいのかと思い知らされた。しかし、組合員には、特別な配慮がされる様なので一安心です。
ヨーロッパでは、ロシアによるウクライナへの一方的な軍事力による侵攻が米欧の説得警告を無視して2月24日に開始されました。その我が国に対する影響は、我が国のエネルギー価格の上昇が一層進む。 それにより、トラック輸送コストの上昇やプラスティック製の包装材の価格上昇や食品、日用品の価格に転嫁され、政府の試算では 2021年の家計負担は、2万7000円から3万9000円も前年より増加したと見ている。不景気の中での物価高は、家計収入が増加しない中で厳しさを一層大きくしている。
この様な中、我が国農業の基幹作物である米の価格は下落し、更には年々消費量が減っている大変憂慮される状況です。その原因の一つに、コロナによる外食産業での米消費が減少した事、日本の食生活の変化による事が挙げられるが、自給力が最も高い米消費が減ることは、我が国の食料自給率が更に下がるという事になりかねません。そもそも、我が国が外国から小麦、大豆、トウモロコシなどの穀物を輸入している事は、輸出国の大量の生産物を収奪している事と言われています。世界人口の推移は国連の報告によると、77億人から 2050年には 97億人へと今後30年で 20億人増える見込みとの事です。
私は以前、全中の都市農業部会の役員をしていた頃、 国会議員の先生方と懇談しうる機会がありましたが、その時よく言われたのは、 このままの生活水準で生活していたら地球がもう一つないと世界人口の維持は極めて厳しいですとの事でした。その様な中、国連が中心になりSDGs(持続可能な開発目標)が提唱されているのです。2030年までに達成すべき目標「持続可能な開発目標」「人類がこの地球で暮らし続けていくための目標」。 2015年国連で採択された2030 年までに持続可能な社会を築くという目標に向けて、我が国も動き始めています。私達の農業分野では気候変動や飢餓の撲滅などが求められます。
一方我が国の政府は、農林水産物の輸出に力を注いでいます。最近9年間、輸出量、輸出金額も伸び続け、2021年の伸び率は 25.6%増で1兆2,385億円になったと報じられています。 しかし、この中身は、原材料を輸入しそれを加工して輸出している物も有るとの報告もあります。 日本政府の輸出目標は 2030年までに5兆円を目指すという高いハードルを課しています。
世界の潮流は地球環境の保護が叫ばれています。EUではファームツーフォーク(農場から食卓まで)戦略を打ち出し経済と環境の両立や持続可能性を求めていますし、米国では生産、流通、消費の中で二酸化炭素排出量の大幅削減が必要と言う農業イノベーションアジェンダが 2020年に公表されています。我が国でもカーボンニュートラル宣言に先行して「みどりの食料システム戦略」が昨年発表されています。この戦略の狙いは、食料・農林水産業の生産力向上と持続性を両輪としてイノベーションで実現することを目指す戦略です。
日本人の特質である勤勉で高度な農業技術を生かし、食料の自給率向上を目指し、更には、日本農業の強みを海外にも示し、世界の食料充足に貢献する事です。その主な内容は 2050年までに有機農業の割合を25%(100万ha) 拡大する目標や化学農薬の使用量を50%低滅、化石燃料や輸入原料を使った化学肥料の 30%低減などが目標とされています。これらは、地球環境を守り、持続可能な産業、経済、 環境を維持していく為には、国が音頭をとり、予算付けをし、各県域が各地自治体と一体となること。更には農協や漁協、森林組合そして消費者団体が、一つの目標を定め実行する事が、2050年には97億人になると予想される地球人口にも耐えられる状況になると考えられます。 私達JAに関わる人の責務ではないでしょうか。
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