JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは25【今さら聞けない営農情報】第144回2022年4月2日
令和3年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっています。有機農業に取り組むあるいは拡大するためには、有機農業についてよく理解する必要があり、本稿では、その大元となる有機JAS規格について解説しています。過去3回(N0.137、No.138、No.139)に渡り、別表2の有機栽培で使用できる農薬等資材の概略をご紹介しました。現在、別表2で示された資材を使用する際の留意点を、別表2に掲載されている順番に沿って連番で紹介しています。
10.硫黄・銅水和剤
有機農産物に使用できる無機物質で殺菌効果のあるものの代表である硫黄と銅の混合剤です。硫黄は前回紹介したように、防除できる対象がうどんこ病やハダニ類と限られていましたが、混合相手の銅は、殺虫効果はありませんが、病害では糸状菌病全般と細菌病にも効果があります。細菌病や糸状菌病の中のべと病や疫病といった増殖が速い病害に効果があり、特に細菌病を防除できる数少ない物質が銅です(詳細は銅の部分で紹介します)。
この硫黄と銅を混合することで、広範囲の病害やハダニ類、サビダニにも効果を発揮します。商品にはイデクリーン水和剤や園芸ボルドーといったものがあります。
11.水和硫黄剤
前号で紹介した硫黄粒剤や硫黄粉剤は、固体の製剤を使用するものでした。ここで紹介する水和硫黄剤は、文字通り清水に定められた量の製剤を投入し、良くかき混ぜて成分が均一に分散した希釈薬液をつくり、噴霧機などを使用して作物に噴霧することで、うどんこ病やハダニ類に効果を発揮します。
商品には、イオウフロアブルやクムラスといったものがありますが、イオウフロアブルはドロドロの液状の製品でプラボトルに入っており、クムラスは粉状の固形物で紙の袋に入っています。農薬登録では、両者ともに水に混和して使用することから、水和硫黄剤という同じ分類になっていますが、製剤の性状は大きく異なっています。農薬製剤は、有効成分を補助成分の中に分散させて作られており、フロアブルが固体の有効成分を水に分散させたもの、水和剤が固体の有効成分をクレイ土などの粉末に分散させたものという違いがあります。どちらも、投入して混ぜたあとは、ドロ水と同じでしばらくすると有効成分を含む分散剤が沈殿してきます。なので、フロアブルも水和剤も散布直前によく撹拌して希釈液の中に有効成分を均一に分散させてから使用するようにします。
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