JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは38【今さら聞けない営農情報】第157回2022年7月9日
令和3年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっています。有機農業に取り組むあるいは拡大するためには、有機農業についてよく理解する必要があり、本稿では、その大元となる有機JAS規格について解説しています。過去3回(N0.137、No.138、No.139)に渡り、別表2の有機栽培で使用できる農薬等資材の概略をご紹介しました。現在、別表2で示された資材を使用する際の留意点を、別表2に掲載されている順番に沿って連番で紹介しています。
30.炭酸カルシウム水和剤
有機硫黄殺菌剤による果樹の果実表皮障害(サビ、ひび割れ、日焼けなど)の防止や銅水和剤による薬害の軽減に役立ちます。炭酸カルシウムを散布することで、作物表面のpHをアルカリ側に保持できるようになり、結果として過剰な銅イオンの発生を抑えて銅水和剤の薬害を軽減できます。また、果実表面を覆うことにより日光の反射率を高めて温度上昇を防いだりして、デリケートな果実表面への障害を防ぎます。商品名は、炭酸カルシウム95%の「クレフノン」や「アプロン」があり、これらについては他の殺菌剤との混用で使用します。その際には、酸性の薬剤と混用は避け、ラベルをよく読んで混用条件をきちんと守るようにします。
また、同じく炭酸カルシウム95%の製剤でカンキツのチャノキイロアザミウマやリンゴのモモシンクイガを防除できる「ホワイトコート」という製品もあります。これは、本剤の散布によって反射光の波長構成が変わり、害虫が好みの作物とは思わなくなって、結果として寄生を抑制することで効果を表します。
ただし、誤った使用方法をすると効果が出ないばかりか品質の低下をまねく恐れがありますので、使用に当たっては必ず製品の記載事項・注意事項をよく確認し、使用時期や使用濃度などを遵守して使用して下さい。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日