JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは40【今さら聞けない営農情報】第159回2022年7月23日
令和3年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっています。有機農業に取り組むあるいは拡大するためには、有機農業についてよく理解する必要があり、本稿では、その大元となる有機JAS規格について解説しています。過去3回(N0.137、No.138、No.139)に渡り、別表2の有機栽培で使用できる農薬等資材の概略をご紹介しました。現在、別表2で示された資材を使用する際の留意点を、別表2に掲載されている順番に沿って連番で紹介しています。
33.スピノサド水和剤
スピノサドは、スピノシン系殺虫剤と呼ばれています。それは、土壌放線菌である。
「Saccharopolyspora spinosa」という菌がつくる物質です。害虫特有の神経系に作用し、チョウ目やアザミウマ目に高い効果を示します。食毒と接触毒の両方がありますが、食毒の方が強く、速効的で7~10日間効果が持続するという優れた特長があります。また、哺乳類への毒性は低く、水中や土壌で速やかに分解し、作物への残留も少ないため安全性も高い農薬です。スピノサド水和剤は、増量剤としてクレイ土などの天然由来の材料を使用しています。商品名は、スピノエース顆粒水和剤、スピノエースフロアブル、カリブスターといったものがあります。適用作物や適用害虫は商品ごとに異なりますので、使用前によくラベルを確認して正しく使用下さい。また、浸透移行性は無いので、害虫のいる葉裏にも十分にかかるように散布すると効果的です。カイコやミツバチ、天敵などに強い影響があるので、十分に注意が必要です。
34.スピノサド粒剤
前述のスピノサドを粒剤化したもので、商品名 スピノエース箱粒剤として販売されています。水稲の育苗箱に処理することで、イネドロオイムシやイネミズゾウムシなどの初期害虫やコブノメイガやイネツトムシ、フタオビコヤガ(イネアオムシ)といった本田期に発生する害虫にも効果を発揮します。これらの害虫は、有機的栽培手法では十分な防除が難しいものですが、有機JAS規格に適合した本剤であれば十分な防除効果を得ることができます。
重要な記事
最新の記事
-
米農家(個人経営体)の「時給」63円 23年、農業経営統計調査(確報)から試算 所得補償の必要性示唆2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(1)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(2)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
変革恐れずチャレンジを JA共済連入会式2025年4月2日
-
「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日
-
JAみやざき 中央会、信連、経済連を統合 4月1日2025年4月2日
-
サステナブルな取組を発信「第2回みどり戦略学生チャレンジ」参加登録開始 農水省2025年4月2日
-
JA全農×不二家「ニッポンエール パレッティエ(レモンタルト)」新発売2025年4月2日
-
姿かたちは美しく味はピカイチ 砂地のやわらかさがおいしさの秘密 JAあいち中央2025年4月2日
-
県産コシヒカリとわかめ使った「非常時持出米」 防災備蓄はもちろん、キャンプやピクニックにも JAみえきた2025年4月2日
-
霊峰・早池峰の恵みが熟成 ワイン「五月長根」は神秘の味わい JA全農いわて2025年4月2日
-
JA農業機械大展示会 6月27、28日にツインメッセ静岡で開催 静岡県下農業協同組合と静岡県経済農業協同組合連合会2025年4月2日
-
【役員人事】農林中金全共連アセットマネジメント(4月1日付)2025年4月2日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年4月2日
-
【スマート農業の風】(13)ロボット農機の運用は農業を救えるのか2025年4月2日
-
外食市場調査2月度 市場規模は2939億円 2か月連続で9割台に回復2025年4月2日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」第2期募集開始 あぐラボ2025年4月2日
-
「八百結びの作物」が「マタニティフード認定」取得 壌結合同会社2025年4月2日
-
全国産直食材アワードを発表 消費者の高評価を受けた生産者を選出 「産直アウル」2025年4月2日
-
九州農業ウィーク(ジェイアグリ九州)5月28~30日に開催 RXジャパン2025年4月2日