JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは47【今さら聞けない営農情報】第166回2022年9月10日
前回、バイオスティミュラント(以下BS)の定義をご紹介しましたので、今回はBSの機能についてご紹介します。
BSは、種子の発芽から植物の成熟までの作物ライフサイクル全体にわたって、いくつかの方法で植物の成長および発育を促進する機能を持っています。それを前回定義された機能ごとにひも解いてみます。
まず、「①増収と作物の品質向上を促すために植物の代謝の効率を改善する」です。
作物は、根から養分と水分を吸い上げ、それらを材料にして、葉で光合成を行って、糖などの有機物を作ります。この時、作物体内で行われているのが代謝であり、その代謝には各種酵素の働きがありますので、酵素の働きを助けてくれるBSを施して代謝の効率を良くすれば、作物の増収や品質の向上ができるようになります。
次に、「②非生物的ストレスへの耐性を強化し、また回復させる」です。
非生物的ストレスとは、生物ではない物質によって与えられるストレスのことをいい、代表的なものに活性酸素があります。活性酸素は、呼吸によって取り込まれた酸素の一部が高エネルギー化したもので、強い酸化力を持っています。この酸化力は殺菌効果があるなど良い面もありますが、細胞を傷つけたり、代謝を邪魔したりもしますので、何等かの要因で必要以上に活性酸素が増えると、代謝を邪魔したりして作物の良好な生育を阻害します。このため、活性酸素の働きを抑制する作用のあるBSを施用することで、作物へのストレスを減らし、結果として生育を良くすることができます。
次に、「③栄養の同化、転流、使用を促進する」です。
栄養の同化とは、根から吸収する栄養、窒素、リン酸、カリやカルシウム、マグネシウムなどを材料に作物の体をつくる有機物を作ったりすることを示します。転流とは、根から吸われた栄養を葉などの作物の根以外の器官に導管などを通じて運ぶことを指し、この機能をBSで促進することで、営農の使用や同化を促進することができ、作物の生育が良くなります。
次に、「④糖の含有量や色など、生産物の品質属性を高める」です。
作物の種類によりますが、糖の含有量が高ければ甘くておいしい作物になりますし、色についても作物本来の色が綺麗出るようにすれば商品価値が高まります。BSには、糖の含有量を増す作用を示すものや、着色を良くするものもあり、適宜目的に合わせて選ぶようにします。
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