JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは49【今さら聞けない営農情報】第168回2022年9月24日
前回より、発芽から植物の成熟までの作物ライフサイクル全体にわたって、いくつかの方法で植物の成長および発育を促進する機能を持つバイオスティミュラント(以下BS)の機能についてご紹介しています。今回から、BSにどんな製品があるか具体的にご紹介していきます。
BSには様々な製品がありますが、最も多く使用されているのが海藻抽出物を有効成分とするものが多いようです。BSの分類については、BSの定義でも登場した「日本バイオスティミュラント協議会」が示している「有効成分の起源」での分類がわかりやすく、それに属する製品も紹介しやすいので、本稿でもこの分類に基づいてご紹介します。
同協会では、BSの起源によって次のように分類しています。
①腐植質、有機酸資材(腐植酸、フルボ酸)
②海藻および海藻抽出物、多糖類
③アミノ酸およびペプチド資材
④微量ミネラル、ビタミン
⑤微生物資材(トリコデルマ菌、菌根菌、酵母、枯草菌、根粒菌など)
⑥その他(動植物由来機能性成分、微生物代謝物、微生物活性化資材など)
いずれの資材も、BSの共通した使用目的である「非生物的ストレスの緩和」を何らかの作用で実現するものです。我が国の農業現場でも、昔から①の腐植や②の海藻エキスなど、「理屈はわからないが農作物の生育に好影響を与えるもの」として使用されてきました。篤農家は、それらの資材を上手に使いこなし、その使用方法や使用タイミングなどはまさに匠の技と呼べるレベルのもので、後進が容易に真似できるものではありませんでした。
現代のBSは、これらの匠の技を科学的に解明して、期待された効果が出るように効果的な使用方法を探求しています。しかしながら、BSの使用者が作っている作物がおかれた栽培環境が全て異なるため、それによって作物が受けているストレスも多種多様であり、それに対応するための緩和方法も異なります。このため、この作物が受けているストレスとBSの特性がぴったり合っていれば、BSによって大きな効果が得られますが、残念ながら、相性が合わずに必ずしも良い結果が得られないこともあるのが実情のようです。
これが、BSの効果的な使用方法を提示することの難しさでもありますが、さらに研究が進み、より効果的な使用方法を農家が実践できるようになることを期待したいものです。
次回から、BSの分類別の特性や代表的な製品をご紹介します。
重要な記事
最新の記事
-
米農家(個人経営体)の「時給」63円 23年、農業経営統計調査(確報)から試算 所得補償の必要性示唆2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(1)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(2)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
変革恐れずチャレンジを JA共済連入会式2025年4月2日
-
「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日
-
JAみやざき 中央会、信連、経済連を統合 4月1日2025年4月2日
-
サステナブルな取組を発信「第2回みどり戦略学生チャレンジ」参加登録開始 農水省2025年4月2日
-
JA全農×不二家「ニッポンエール パレッティエ(レモンタルト)」新発売2025年4月2日
-
姿かたちは美しく味はピカイチ 砂地のやわらかさがおいしさの秘密 JAあいち中央2025年4月2日
-
県産コシヒカリとわかめ使った「非常時持出米」 防災備蓄はもちろん、キャンプやピクニックにも JAみえきた2025年4月2日
-
霊峰・早池峰の恵みが熟成 ワイン「五月長根」は神秘の味わい JA全農いわて2025年4月2日
-
JA農業機械大展示会 6月27、28日にツインメッセ静岡で開催 静岡県下農業協同組合と静岡県経済農業協同組合連合会2025年4月2日
-
【役員人事】農林中金全共連アセットマネジメント(4月1日付)2025年4月2日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年4月2日
-
【スマート農業の風】(13)ロボット農機の運用は農業を救えるのか2025年4月2日
-
外食市場調査2月度 市場規模は2939億円 2か月連続で9割台に回復2025年4月2日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」第2期募集開始 あぐラボ2025年4月2日
-
「八百結びの作物」が「マタニティフード認定」取得 壌結合同会社2025年4月2日
-
全国産直食材アワードを発表 消費者の高評価を受けた生産者を選出 「産直アウル」2025年4月2日
-
九州農業ウィーク(ジェイアグリ九州)5月28~30日に開催 RXジャパン2025年4月2日