JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは50【今さら聞けない営農情報】第169回2022年10月1日
今回からバイオスティミュラント(以下BS)にはBSにどんな製品があるか具体的にご紹介していきます。
まず最初は、①腐植質、有機酸資材(腐植酸、フルボ酸)です。
腐食質とは、土壌微生物によって植物体とうの有機物が不完全に分解されてできる無定形の物質のことをいいます。腐食質には、アルカリに溶けて酸に溶けない「フミン酸」、アルカリにも酸にも溶ける「フルボ酸」、アルカリと酸の両方に溶けない「ヒューミン」の3つがあり、一般的に腐食酸といえば、「フミン酸」と「フルボ酸」の2種を指します。腐食酸のもとが多く含まれる、亜炭や石炭を酸で分解し、石灰などで中和して製品としたのが、腐食酸資材です。
腐食酸には、いくつかの効果があります。
まず、作物に直接的に働く効果として、根の伸長や毛根形成の促進、触媒効果により作物の生理活性や代謝の促進、マグネシウム(苦土)など重要な陽イオン肥料要素の吸収を促進するといった働きをします。
次に、間接的に働く効果としていくつか紹介します。
まず最初が土壌に団粒ができるのを助ける機能です。腐食は粘土とともに土壌粒子のもとをつくり、土壌の粒子が小さな塊になるのを促進し、団粒に発達させる作用を持っています。土壌に団粒ができると、保水性と排水性、通気性に優れた、作物の根が生育しやすい最良の土をつくります。
次に、保肥力(肥料成分の流出を防ぐ力)を高める機能です。腐食自体がマイナスの電気を帯びているため、腐食が陽イオンであるカルシウム(石灰)やマグネシウム(苦土)、アンモニアなどの重要な肥料成分と結合し、土の中に留めて、流出を防いでくれます。
次に、リン酸の吸収を助ける機能です。鉄やアルミニウムといった金属イオンが多い土壌の場合、それらがリン酸の吸収を邪魔します。腐食は、過剰な鉄やアルミニウムなどとキレート結合呼ばれる作用によって、土壌中のリン酸の固定を防止し、作物がリン酸を吸収しやすくしてくれます。加えて、土中の悪影響のある重金属を吸着して、作物への害を出にくくしてくれます。
さらに、微生物の栄養源となるため、腐食を施用した土壌中の様々な微生物の活動が活発になり、土壌の物理性、化学性、生物性が良くなります。
また、黒いため太陽熱を吸収しやすく、地温をあげる効果もあります。
作物が良く育つのは「黒くてほくほくした感じの土」であると言われますが、これは黒い土には腐食酸が多く含まれているからです。この優れた腐食を補う資材としては、「アヅミン」がよく使われており、特に、低温や異常高温、乾燥、長雨など天候不順の時に収量の落ち込みを抑え、様々な障害を防ぐ効果が確認されています。
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