JAの活動:ヒント&ピント ~JAの広報誌から~
出来秋だ「米を食べよう」【ヒント&ピント~JAの広報誌から】2022年10月1日
米の消費拡大は、単に現在の需給安定のためだけでなく、日本の将来の食料安定確保、国民の健康にからむ食生活の改善、さらには水田維持による国土・環境の維持にとっても欠かせない。新米の出回りを迎え、9月号は米の消費拡大を意識した特集を組んだ広報誌が目につく。
「日本の地方の郷土料理にヒントを得て、もっと米の食文化をたのしんでみませんか」と呼び掛けている。米そのものでなく、郷土料理と組み合わせた食文化を紹介しているところがミソで、それが結果として米の消費を増やすことにつながる。
紹介されているのは全国各地の郷土料理で、長野県の「やたら」、秋田県の「いものこ汁」、神奈川県の「梅ごはん」、鹿児島県の「呉汁(ごじる)」、「鶏飯(けいはん)」。料理の紹介と簡単なレシピがついているが、簡単で、写真をみるだけでも素材と作り方が分かる。併せて中学3年の男子が、夏休みに土鍋で家族のご飯を炊き、家族に喜ばれている作文を紹介。家族団らんの様子が想像される。
米粉の"大特集"である。2020年、JA全中の広報大賞をとったJAで、もともと写真には定評のある広報誌だが、それをふんだんに使い、8ページにわたり、米粉の魅力を伝えている。米粉の全国の生産は令和3年度で約4万1000tと 、少しずつだが年々増えている。
県厚生連の管理栄養士のコメントを添え、グルテンフリーなど、米粉の特徴を分かり易く伝えるとともに、米粉を使った料理のレシピを紹介。さらに米粉に適した品種、米粉用の米を栽培、あるいは加工する場合の国の支援策を説明し、栽培・加工への取り組みを呼びかけている。
米の消費拡大には直接つながらないが、収穫した後の精米工程を紹介している。タイトルの「お米ができるまで」と言った場合、普通は生育過程だと考えるが、「きたかわち」は精米ができるまでの工程を写真入りで伝えている。普段、食べるご飯がどのようにしてできるかを知ることは、米に対する理解を深めることにつながる。
大きく分けて精米の工程は5工程(無洗米は8工程)ある。品質管理は徹底しており、精米の中の石や乳白米などの着色米を取り除く色彩選別機には2度も通す。施設の設備改善に併せた特集だが、普段、なかなか気が付かないテーマである。
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