JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは63【今さら聞けない営農情報】第182回2023年1月7日
国は、肥料原料の価格高騰に対応した肥料価格高騰対策事業を実施し、海外原料に依存している化学肥料の低減や堆肥等の国内資源の活用等に取り組む農業者に対し、肥料コスト上昇分の一部(7割)を支援しています。この事業は、15項目に上る化学肥料低減に向けた取り組みのうち、2つ以上を実行または強化・拡大することで補助を申請できます。
今回は、②番目の生育診断による施肥設計です。これは、文字通り1作の作物の生育状態をセンシング等によって把握し、生育に応じた施肥を追肥または翌作の施肥設計に活かすやり方です。つまり生育が旺盛だった部位には肥料を減らし、生育が悪かった部位には肥料を増やすことでほ場全体に効率の良い施肥を行います。これを実行するには、ドローンや人工衛星を使ったリモートセンシングや収量コンバインによる収量把握技術とそのセンシングデータに基づく可変施肥の技術が両輪で働かないといけません。これらの技術を導入し、化学肥料の使用量を効率的に減らしながら、きちんとした収量を得るように努力している農家が対象となります。
次に、③地域の低投入型の施肥設計の導入です。土壌は地方や地域によって異なり、含まれる養分量も異なります。例えば、土地柄リン酸が多い地域では、リン質肥料が少量で済むなど、地域、地方をあげて共通の低投入型の施肥設計を行い、それを着実に実行することです。前提として、地域の土壌を把握し、その地域にあった施肥設計を指導機関等で行ってもらう必要がありますが、その設計に従うだけで取り組み要件になりますので、低投入型の施肥設計がつくられているようであれば、是非お試しになってはいかがでしょうか?
次回、④堆肥の利用を紹介します。
♢ ♢
本コラムに関連して、ご質問や取り上げてほしいテーマなどがございましたら、お問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日