JAの活動:農協時論
【農協時論】大転換期に新たな挑戦 相互扶助根幹に多様な連携創出 JA秋田しんせい組合長 小松忠彦氏2023年3月16日
「農協時論」は新たな社会と日本農業を切り拓いていくため「いま何を考えなければならないのか」を、生産現場で働く方々や農協のトップの皆様に胸の内に滾る熱い想いを書いてもらっている。今回はJA秋田しんせい組合長の小松忠彦氏に寄稿してもらった。
JA秋田しんせい組合長 小松忠彦氏
時代は今、まさに大きな転換期を迎えている。
この転換期は、転換できなければ終焉へと向かうカウントダウンを止める事ができないというものであり、今までとは比較にならないリスクを抱えた転換期でもあると考えている。
だからこそ、今までを変える意識が不可欠だ。
そして、この事は、新たな挑戦を意味するものである。
今までの事を省みて改善をするというよりは、未来を拓くために変えていく、持続可能性を創出するための新たな挑戦が求められていると考えている。
米主体の農業経営者を多く持つ我々JAは、米の単価と収量の増加を主体に運動と改善提案をしてきたが、5年、10年先を見据えたものとは言えないものがあった。
しかし、ウクライナ危機や地球温暖化現象などから、資源循環型農業と施設園芸作物栽培の複合型農業の実現とが必要であり、安定した食料生産と後継となる人材を創出可能とする両者が成立する経営となる事が教示されている現状にある。
令和5(2023)年度より、人・農地プランの法定化に伴う地域協定の策定が行われる。
この事は、JAが農地を守るための行動を求められていると捉え、JAが主体となり、行政、農業関係団体と連携した地域協議会を設立し、不作付け地の耕作希望農業者たちによる協議の場を設け、すでに意見集約を開始している。
今後、実現化したいと考えるのは、協議会に参加する農業者同士の連携を促し、複合型を目指す農業集団を形成し、後継者を創出していこうとする生産チームである。この事は、決して、家族経営農業を否定するものではない。
ただ、農業者数、経営数が減少する中で、家族経営だけでは農地を守り切れないし、守るためには、就農希望者を受け入れできる経営でなければ持続可能性は生まれてこないし、地域協定には、農地利用のブロックローテーションが想定されており、これらを実現化するためにも、連携をキーワードとする考え方が必要であると考える。
そして、この連携から、農業所得の増大と多様な人材の創出、育成の可能性を見出し、地域創生にもつなげていかなければならない
相互扶助の精神を根幹に持つJAには、その連携を促す提案行動が求められている。
これに取り組むには、JAへの信用、信頼が不可欠であり、高い倫理性と盤石な経営基盤が必要と考える。
そのために、JA経営の現状と成り行きシミュレーション情報を包み隠さずに開示し、組合員との対話による方向性を共有し、一体となって取り組む姿勢が求められている。
これを基本として、未来を拓くための夢を掲げて、それを叶えるために挑戦する成長戦略こそが必要であることに、理解を求めていかなければならない。
また、生産者が販売価格を決定する仕組みが少ない農業経営は、経営計画の設定が難しく、安定した経営構築を成立しにくくしている。
市場取引の場と消費者に対して、生産コストに見合う販売価格への理解醸成となる運動とともに、国消国産は、食べる人と作る人を直接つなぐ責任があり、今、JAグループがJAチームとなって、農産物を直接的に消費者に届ける独自ルートを拡充するなど、新たな挑戦を望んでやまないものであり、この取り組みによって、主流となりつつある大規模農業経営者とのつながりをより強固なものにしていかなければならない。
また、共済事業はもちろんの事、信用事業においても、事業性融資や投資信託など、新たなつながりを求めた挑戦が必要となっている。
「寄り添い、ともに考え、ともに行動し、ともに喜び合う」事をモットーとして、事業推進を呼び掛ける中、カウントダウンが始まっていると考えると、ちゅうちょすることなく連携し、新たな取り組みに挑戦する責任があり、行動していかなければなりません。
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