JAの活動:今さら聞けない営農情報
土壌改良材(1)【今さら聞けない営農情報】第220回2023年10月14日
みどりの食料システム法が施行され、国内の肥料資源(特に有機質資材)を活用した施肥の重要度が増しており、前回までに堆肥、汚泥肥料、食品残渣、有機質肥料、緑肥作物、キチン質資材といった有機質資材を有効活用するために理解しておきたい基本的事項をご紹介しました。
これらを有効活用するためには、土壌診断を実施して土壌の状態を正確に把握し、肥料成分等に健全な作物生育を促すのに過不足があるようであれば、それを改善する土づくりが必要になってきます。土壌の良し悪しが、農作物の品質や収量を左右しますので、豊かな実りのためには、土づくりや土壌改良が不可欠だと言えます。
いうまでもなく、作物が育つためには、光、温度、水、空気が不可欠であり、これらの他に作物が育つために必要な栄養素である窒素やリン酸、カリなど土壌から供給しなければならない元素がいくつもあります。作物は、これらを吸収し、光合成してエネルギーをつくり、生育し、やがて豊かな収穫に結びつきます。この作物がよく育つ土壌環境をつくるのが、土づくりであり、土壌改良です。
土壌改良すべきものには、pH、EC、CEC、塩基類、リン酸、窒素、腐植、鉄、ケイ素などの改良があります。
これらには、改良すべき理由がそれぞれあります。
例えば、pHは、土の中の水素イオン濃度のことで、土の酸性度を示し、pH7が中性、5以下が強酸性、6~6.5が微酸性、7~7.5が微アルカリ性、8.5以上が強アルカリ性とされています。当然ながら、作物には好みの酸性度があり、多くの作物は微酸性を好みます。
しかし、日本は雨が多いため、土の中のアルカリ成分が流れやすく、アルカリ分を補給せずに栽培を続けると、どんどん酸性に傾いていってしまいます。
そうなると、肥料成分が正常に吸収できなくなり、過剰障害や欠乏障害、あるいはアブラナ科根こぶ病など酸性を好む土壌病害が発生して、正常な収穫が得られなくなるといった現象が生じます。
このように土壌の状態に応じて実施すべき改良が異なり、この改良すべき点によって使用する改良方法は異なります。
ただ、多くの場合、土壌改良材を使用して改良しますので、次回以降、土壌改良材を具体的に紹介しながら、土壌改良の進め方をご紹介します。
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