JAの活動:今さら聞けない営農情報
土壌改良材(5)リンスター【今さら聞けない営農情報】第224回2023年11月11日
みどりの食料システム法が施行され、国内資源を活用した持続型農業への転換が求められ、特に有機質資材の活用に期待が高まっています。
いうまでもなく、作物が育つためには、光、温度、水、空気の他、土壌から栄養素を吸収する必要があります。この栄養を供給する土壌の良し悪しが、農作物の品質や収量を左右しますので、作物の生育に適した土づくりが必要になります。
そのためには、土壌診断を実施して土壌の状態を正確に把握した上で、栄養素の過不足を調整したり、土壌の物理性や化学性、生物性の改善作業を行う必要があります。
その土づくりで大きな力を発揮するのが土壌改良資材ですが、その使用目的は、土壌の物理性改善、生物性改善、化学性改善の改善が主なもので、本稿では、現在土づくり肥料の特性や使い方を紹介しています。
今回はリンスターです。
リンスターは、リン酸液とカルシウムやマグネシウムなどの塩基性物質とを反応させ、それを造粒して製造します。主な肥効成分は、リン酸一カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸二マグネシウムであり、製品はそれらの微細結晶になります。この結晶は、とても微細で溶けやすく、特に植物などが出すうすい有機酸によく溶けます。
このため、生育初期から後期まで作物の生育に応じてしっかりと吸収され、加えて土壌固定が少ないことから、利用効率の高い優れたリン質肥料といえます。
また、リンスターの主成分であるカルシウムやマグネシウムは作物の生育に必要な元素で次のような働きがあります。
カルシウムは作物の細胞膜の形成とその強化に、マグネシウムは葉緑素の構成元素であり、光合成の効率を良くしたり、多くの酵素の働きをよくしたり、リン酸の吸収に役立ったりしますので、作物生育にはこの2つの元素を効率よく吸収させることが重要になります。
リンスターに含まれるカルシウムやマグネシウムは、作物が吸収されやすいものを多く含んでおり、通常は土壌pHが弱アルカリ性の時に吸収が良くなるカルシウムやマグネシウムを、土壌のpH調整することなく効率よく補給することができます。
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