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JAの活動:今さら聞けない営農情報

土壌診断の基礎知識(1)【今さら聞けない営農情報】第231回2024年1月6日

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みどりの食料システム法が施行され、国内資源を活用した持続型農業への転換が求められ、国内資源の有効活用に期待が高まっています。作物が元気に育つためには、光、温度、水、空気に加え、生育に必要な栄養素を土壌から吸収する必要があります。この時、作物の生育に必要な栄養を過不足なく供給するためには、土壌の健康状態を正確に把握する必要があり、そのために実施するのが土壌診断です。日本の土壌は、かつてはリン酸が欠乏するなど土壌養分が少ない、いわゆる痩せた土壌が多く、作物の生育に不向きな土地が多くありました。このため、土壌診断で養分の不足分を把握して補い、作物の収量をあげる取り組みが進められ、大きな成果をあげてきました。ただし、土壌診断をせずに施肥を続けた田んぼ・畑も多くあり、そのような圃場では、必要以上に土壌養分が存在する養分過剰な状態となっているところも増えています。この場合、必要な養分だけを補う適正施肥が不可欠であり、土壌にどの程度の養分があるか把握するために土壌診断が不可欠になります。適正施肥によって「施肥コストの抑制」、「環境保全」にも役立ちますので、肥料高騰が続く中、土壌診断が果たす役割が大きくなっています。

土壌診断を行う場合、大きく分けて3つの検査項目があります。1つめが化学性(土壌に含まれる養分量、土壌の酸性度を示すpHなどを検査する)、2つ目が物理性(土壌の水はけや通気性を検査する)、3つ目が生物性(有機物を分解する微生物の働きを検査する)です。一般に土壌診断では主に①の化学性を調べます。なぜなら、作物の生育や収量の改善で最も大きな効果が得られるのは化学性の改善であり、しかも比較的簡易で精度の高い分析法が確立されているからです。さらにいえば、②の物理性や③の生物性の場合には、効果が現れる改良を施すのが難しい上、分析に専門的な知識や設備が必要で簡単には実施できないことも、化学性が土壌分析の中心になる一因となっています。

土壌の化学性を調べる分析項目は、pH、EC、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、有効態リン酸、交換性石灰、交換性苦土、有効態ケイ酸、腐植、CEC、リン酸吸収係数であり、これらの項目は、水田や畑地・草地、ハウス、果樹園、茶園といった作付ける作物によって分析の要否が異なります。

次回以降、検査項目ごとに調べ方や調べる意義について紹介していきます。

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