JAの活動:今さら聞けない営農情報
土壌診断の基礎知識(2)【今さら聞けない営農情報】第232回2024年1月13日
みどりの食料システム法の施行によって国内資源を活用した持続型農業への転換が求められ、国内資源の有効活用に期待が高まっています。作物が元気に育つためには、光、温度、水、空気に加え、生育に必要な栄養素を土壌から吸収する必要があり、作物の生育に必要な栄養を過不足なく供給する必要があります。そのためには、土壌の健康状態を正確に把握する必要であり、その方法として土壌診断があります。土壌診断では単に土壌分析して養分の状態を明らかにするだけではなく、分析結果に応じた対処法(いわゆる処方箋)を提示することが求められるため、実施に当たっては相応の知識が必要になります。このため、本稿では土壌診断の基礎知識をご紹介し、正しい土壌診断の一助にしたいと考えています。今回より土壌の化学性分析に用いられる検査項目を順次ご紹介することとし、最初はpHです。
pHは土壌中の水素イオン濃度を基に示されるもので、pH7を中性として、数値が7より小さければ酸性、7より大きければアルカリ性となります。土壌分析では、pH5以下が強酸性、5~6が弱酸性、6~6.5が微酸性、7~7.5が微アルカリ性、7.5~8が弱アルカリ性、8以上が強アルカリ性と区分しています。
作物によって生育に好適なpHの範囲、つまり好みの範囲があります。例えば、水稲やバレイショであればpH5~6.5の弱酸性が好適であり、キャベツやトマトであればpH6~7の弱酸性~中性が好適です。実は、日本の土壌はほとんどが酸性土壌です。なぜなら、もともと日本の土壌には石灰質由来の土壌が少ないのに加え、温暖多雨のため雨ととも土壌中のカルシウムなどの肥料分が土壌の下方へ流れていき、ほっておくと酸性に変化していくためです。この好適pHは作物の生育に影響しており、例えば、酸性土壌に弱いホウレンソウなどは土壌が酸性に傾くと、とたんに生育が悪くなることが知られています。
なお、ホレンソウに限らず野菜のほとんどは弱酸性~中性を好むので、野菜を栽培する畑地では、土壌が酸性に偏らないような管理が必要になります。
土壌pHが作物の生育に重要な点はもう一つあり、それは土壌中の養分吸収に影響を与えることです。
それはpHの値によって、土壌中の作物が吸収できる肥料成分量が変化するからです。次回、そのメカニズムをご紹介します。
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