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JAの活動:今さら聞けない営農情報

土壌診断の基礎知識(8)【今さら聞けない営農情報】第238回2024年2月24日

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みどりの食料システム法の施行によって国内資源を活用した持続型農業への転換が求められ、国内資源の有効活用に期待が高まっています。作物が元気に育つためには、光、温度、水、空気に加え、生育に必要な栄養素を土壌から吸収しますが、作物が健全に生育するには土壌の健康状態を正確に把握することが必要で、そのために土壌診断があります。現在、本稿では土壌診断を実施して土壌の状態を知り、正しい処方箋を提示するために必要なため、土壌診断の基礎知識をご紹介しています。
現在、土壌診断項目の内容と意義について紹介しており、今回は、CECです。

CECとは、Cation Exchange Capacity の略語で陽イオン交換容量(cation=カチオン:陽イオン)のことをいいます。ECが、土壌中に溶け込んでいるイオンの量、つまり作物がすぐに利用できる肥料成分の量を示すのに対し、CECは土壌がどれだけ肥料成分をため込んでおけるかを示す指標になります。

土壌は大小の粒子でできていますが、そのうち2μm以下の粘土や1μm以下の粒子の集合体のことをコロイド物質といいます。この土壌コロイドの表面は、通常マイナスに荷電しており、作物の養分となる肥料成分陽イオン(NH4+、Ca2+、Mg2+、K+など)と吸着して、土壌中に保持しています。これによって、雨が降ったりしても、肥料が流されることなく、陽イオンの肥料成分が土壌に止まることができ、これが保肥力と呼ばれるものです。

一方で、土壌コロイドは陰イオンを保持する力が弱いので、陰イオン系の肥料成分である硝酸イオン(NO3-)は、土壌に吸着されることなく、降雨や灌水で流され、河川や地下水などに流出してしまい、河川の富栄養化の原因となったりします。硝酸系の肥料が、畑土壌で使用されることが多いのはこのためです。

CECは値が大きければ大きいほど陽イオンを保持する力が強いことを示し、この値が高いほど望ましいものです。ただ、この値は粘土鉱物の種類や量、腐植の含有量などもともと土壌が持っている性質に左右されるため、改良することが難しいため、一般的にCECの値に合わせた施肥を選択することになります。例えば、CECが低い土壌では、一度に施肥しても土壌に肥料を保持する力が小さく流されてしまうため、少しずつその土壌が保持できる量だけ施肥するといった工夫が必要になります。

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本コラムに関連して、ご質問や取り上げてほしいテーマなどがございましたら、コラム・シリーズ名を添えてお問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。

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