JAの活動:農協時論
【農協時論】JAイノベーション 人とのつながりいつも見据えて JAいちかわ組合長・今野博之氏2024年4月4日
「農協時論」は新たな社会と日本農業を切り拓いていくため「いま何を考えなければならないのか」を、生産現場で働く方々や農協のトップの皆様などに胸の内に滾る熱い想いを書いてもらっている。今回はJAいちかわ代表理事組合長の今野博之氏に寄稿してもらった。
JAいちかわ代表理事組合長
今野博之氏
令和6年1月1日に石川県能登地方を震源とした地震が発生しました。 亡くなられた方々には衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。 被災地の皆様の安全と一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。
私たちの千葉県も令和6年2月から、地震活動が活発になっており今後の地震に注意するよう呼びかけられている。既に、組合内に備蓄していた水や乾パンなどの在庫・賞味期限などの確認を行ったが、まだまだ備蓄数は不足しており、現在その拡大に取り組み、地元行政機関とも連携を図った災害対策に力を入れている。これも、組合員・地域のくらしを守る協同組合活動の原点であると考えている。
そして当組合は令和4年度から、将来にわたってこの協同組合活動を支えてくれる「農業振興応援団」の拡大を重点目標に設定し、2年間で7000人を超える新たな仲間が加わった。この仲間も加えたすべての組合員が、地域農業と地域のくらしを守る協同組合活動の組織基盤であり、新たな組合員が複合的な事業利用、教育文化活動への参加、管内農産物を知って、食べていただくことがJAいちかわの「質の高い自己資本」となる。
JAいちかわ管内の主力農産物は、地域団体商標も取得している「梨」であるが、その生産現場は正念場を迎えている。これは令和5年8月に中国で「火傷病」が発生し、花粉等の輸入が停止され、梨生産者への支援が課題となった。私はこの課題について解決するのではなく、ビジネスとして組合員と組合に貢献する事業にするよう指示したところ、昭和40年から続く伝統ある「花粉銀行」の拡大、2024年春への緊急的な花粉生産、中期的な花粉採取専用ほ場の育成、そして多くの梨生産者へ花粉の提供に向けての取り組みが進み、千葉県農林水産部からも評価され、連携・支援をいただくこととなった。また、地元行政の市川市でも梨の花摘みボランティア(梨花隊)を募集、304人もの応募をいただき、地域・行政・JAが連携して生産者を支えていくこととなった。多くのマスコミ等にも取り上げられ注目を集め、令和4年6月の「あた梨ちゃん」に続きピンチをチャンスに変える出来事になると確信している。私が常に「問題を解決するのではなく、ビジネスに変えること」と伝えてきたことが実践されてきたと感じている。
今、時代はすごいスピードで変化している。農協も世界や日本経済の状況を見極め、時代の波を的確にとらえた新たな協同組合活動を目指さなければならない。更には、新たに仲間となった「農業振興応援団」と地域利用者への新たな仕掛けも考えている。
農業生産現場はもちろん、職員の安全や働き方改革、業務の合理化・効率化に向け、人が頑張らなくてもいいところをサポートする「AI・DX技術」の導入も進めている。
また、消費者が多く居住する都市型農協として、農産物の地消地産、更には国消国産を発信する拠点としての役割発揮も見据えて、これまでにない新店舗建築や無人化販売店舗の設置も進める。このように新たな取り組みにより創出された時間や場所を活用して、組合員・地域への貢献、人と人とのつながりの場として活用し「質の高い自己資本」を拡大しなければならない。
そのために、協同活動や事業活動の実践役である職員の対話力や情報発信力の向上は欠かせない。職員の研修体制や給与体系の整備とともに、フリーアドレスオフィス等、時代に合わせた働きやすい職場づくりにも目を向け職員の質の向上にも努めている。
今、JAいちかわはバランスの取れた経営が出来ている。しかし、「現状維持が衰退の始まり、うまくいっている時ほど、もっとうまくいかないか」と考えなければならない。今後も役職員が一体となって「JAいちかわのイノベーション」を進め、すべての組合員とともに、新たなJAいちかわの景色を描きたい。
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