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JAの活動:今さら聞けない営農情報

土壌診断の基礎知識(20)【今さら聞けない営農情報】第250回2024年5月18日

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みどりの食料システム法の施行によって国内資源を活用した持続型農業への転換が求められ、国内資源の有効活用に期待が高まっています。作物が元気に育つためには、光、温度、水、空気に加え、生育に必要な栄養素を土壌から吸収しますが、作物が健全に生育するには土壌の健康状態を正確に把握することが必要で、そのために土壌診断があります。現在、本稿では土壌診断を実施して土壌の状態を知り、正しい処方箋をつくるために必要な土壌診断の基礎知識を紹介しています。

現在、土壌診断項目別に改良方法の基礎知識をご紹介しており、今回は、ケイ酸の改良方法です。

以前ご紹介したように、ケイ酸は稲以外の作物には必要のない要素ですが、稲にとっては必要不可欠な要素です。ケイ酸は、稲の体重の15%相当量も吸収され、窒素など肥料成分の吸収効率を高めて、茎数や1穂あたりの粒数、登熟歩合を向上させる働きをするなど稲の収量・品質に大きな影響を与えます。このため、稲の栽培においては、土壌に含まれるケイ酸の量を把握することは重要で、土壌診断によってケイ酸量を計測し、不足するようであれば補ってやる必要があります。

このケイ酸には、稲が吸収しやすい有効態(可給態)ケイ酸と不可給態ケイ酸があり、一般的には有効態ケイ酸を測定して改良に役立てます。地力増進基本指針における改良目標値は乾土100g当たり15mg以上となっていますが、土壌の種類によってケイ酸の吸収率が変化することから、一般の水田で15~30mg、黒ボク土・湿田では20~40mgが望ましいとされています。

この目標値と土壌診断による測定値を比較して不足しているようであれば、不足しているケイ酸量を算出して、それを補うだけのケイ酸質肥料を施用します。その際に使用するケイ酸質肥料は、ケイカル(ケイ酸カルシウム)、転炉石灰ミネカル、よう成リン肥、ケイ酸加里などです。これらのケイ酸質資材に含まれるケイ酸(SiO2)の量(割合)はそれぞれ異なりますので、不足分を補うだけのケイ酸量となるよう資材量を計算して施用します。特に鉱さいは、原料によって含まれるケイ酸の量が異なりますので、事前に使用する鉱さいのケイ酸含有量を確認するようにして下さい。

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本コラムに関連して、ご質問や取り上げてほしいテーマなどがございましたら、コラム・シリーズ名を添えてお問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。

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