JAの活動:JA新組合長に聞く
【'24新組合長に聞く】JAなすの(栃木県)渡邉一夫組合長 組合員と心を一つに2024年6月20日
役員の改選期を迎え、全国のJAで新しい組合長が誕生している。折しも「基本法」(食料・農業・農村基本法)が25年ぶりに改正となり、これからの農業の方向が示されたが、具体的な施策はこれから。一方でJAグループは、今年10月の第30回JA全国大会を控え、いま組織協議が進んでいる。この重要な転換期に農業・JAについてどのようなビジョンをもってJAの運営に臨むか。栃木県JAなすのの渡邉一夫に聞いた。
JAなすの・渡邉一夫組合長
JAの運営については、組合員のところに「出向く」活動に力を入れたいと思います。対話のための「場づくり」です。特に役員の訪問は「JAを身近に感じる」と組合員に喜ばれます。
JA管内は関東平野の北部、北に那須高原を控えた広大な耕地を有し、耕種と園芸、畜産のバランスのとれた農業が行われています。地域の農業総生産額は900億円、うちJAの取扱高は200億円近くあり、全国でもベスト10に入る農業地帯です。それでも最近のコスト高の影響は大きく、特に畜産に深刻な打撃を与えています。
JAでは農家所得の向上のため、園芸で「BB9」(ビューティフルブランド・ナイン)と銘打ち、1品目10億円を目指し、アスパラガス、ネギなど9品目の生産拡大に取り組んでいます。JAなすのにはおいしい野菜生産に必要な堆肥は十分あります。この強みを生かし、大規模でなくてもできる経営を確立し、産地づくりにさらに挑戦します。
改正食料・農業・農村基本法制定や食料安保など、いま農業は重要な転換期にあります。子どもたちが後継者として進んで農業をやれるような、我々が本当に望む農業・JAを実現するためのラストチャンスだと思います。組合員と心を一つにして臨みたい。
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