JAの活動:JA新組合長に聞く
【'24新組合長に聞く】JA市原市(千葉県)戸谷利彦組合長 再生産可能な価格実現を2024年6月24日
役員の改選期を迎え、全国のJAで新しい組合長が誕生している。折しも「基本法」(食料・農業・農村基本法)が25年ぶりに改正となり、これからの農業の方向が示されたが、具体的な施策はこれから。一方でJAグループは、今年10月の第30回JA全国大会を控え、いま組織協議が進んでいる。この重要な転換期に農業・JAについてどのようなビジョンをもってJAの運営に臨むか。千葉県JA市原市の戸谷利彦組合長に聞いた。
代表理事組合長
戸谷利彦(新任)
いま、日本の農業の現場では担い手不足、生産資材の高騰、国のレベルでは食料自給率の低迷、再生産可能な仕組みづくりなど多くの問題に直面しています。組合長に就任し、改めてJAの役割の大きさを感じているところです。
高齢化した農家は、現在使っている農業機械が壊れると営農をやめてしまいます。今そうした農家が増えています。一方、JAでは、老朽化した育苗センターやライスセンターなど、農家の営農支援に欠かせない共同利用施設の老朽化が進み更新の時期を迎えています。鳥獣害の被害も深刻になっています。こうした状況下で農業を持続させるには、後継者の確保とともに、行政とタイアップしてやめる農家の農地を集約して法人し、農地を保全する必要があり、経営の大型化を含め、JAとして支援していく考えです。
管内にはナシやイチジク、ダイコンなど果樹・野菜の栽培も盛んですが、新たな作目としてブロッコリーもあります。生産資材の高騰に悩まされており、せめてその分は保証してほしいですが、食べ物を供給する農業は、国民の生活に直結しています。国民・消費者の理解を得て、再生産可能な価格を実現できる仕組みをつくっていただきたい。
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