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JAの活動:JA全国連組織の女性役員・管理職に聞く

【JA全国連組織の女性役員・管理職に聞く】多様な価値観を力に 農林中金常務 内海智江氏(1)2024年6月27日

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女性はわが国人口の51%を占める。政府の第5次男女共同参画基本計画では、急激な人口減少と国民の価値観が多様化するなか、女性参画の拡大は「さまざまな視点が確保され、社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある持続可能な社会を生み出す」と強調している。JAグループも第29回JA全国大会決議で「女性の活躍推進」を掲げており、その取り組み推進が期待される。こうしたなか、今回は全国機関の女性役員・管理職に女性参画への期待と課題などを語ってもらう。シリーズ1回目は農林中央金庫の内海智江常務執行役員(事務部門長、女性活躍・ダイバーシティ推進責任者)に登場してもらった。聞き手は元JA全農専務で千葉大客員教授の加藤一郎氏。

農林中金常務 内海智江氏農林中金常務 内海智江氏

チームワークが魅力

加藤 JAグループの全国組織として初めての女性執行役員に就任されました。日本長期信用銀行から転職されたという意味では、系統組織以外からの役員就任という面もあると思います。まずは率直な思いを語ってください。

内海 女性役員ということでは、私の前に現在の伊藤玲子監事が初めて執行役員に就任しています。常務執行役員としては私が最初になります。そして今年の4月にもう1人、支店長経験者が常務執行役員に就任しましたから、いろいろな出自の女性役員がようやく3人ながら出てきたことは心強くもありますし、より農林中金という組織の成長につながる動きだと思っています。

長銀では、当時、私は有価証券の決済を担当しており、いろいろな金融機関に出向き株券を担保にしてお金を借りるという仕事をしていました。そのころは長銀に対して国民の税金を使うのかと批判されていましたが、農林中金の方だけは本当に違ったんです。

今まで通り普通にビジネスの相手として対応していただき、すごく真摯(しんし)な姿勢を感じることができ、こういう方々と働いてみたいという気持ちになりました。

入ってから思うのは、農林中金はチームワークをすごく大事にしているということです。みんながそれぞれ自分のいいところを発揮し、それがうまく組み合わさることで10人の力が、もしかしたら14や15の力、さらにもっと上をめざす。そんなチームワークを大切にする組織風土は今も変わらず、ここに入ってよかったなと思っています。

元JA全農専務 千葉大客員教授 加藤一郎氏元JA全農専務 千葉大客員教授 加藤一郎氏

意識と慣行、制度見直し 

加藤 私は今、母校の千葉大園芸学部の客員教授と同窓会会長をしています。卒業した1971年に女性は各学科に数名しかいませんでしたが、今や園芸学部・大学院とも半数以上が女性です。

このギャップは私にとっては強烈で、卒業式はもう女子大のように華やかになる。なおかつ女性の方が優秀で成績優秀者の表彰はほぼ全員女性なんです。ところが、企業に入ると、まだまだ男性社会という現実にぶつかります。就職4、5年目の卒業生に話を聞いていますが、学生時代とのギャップを相当感じているようです。

女性には家事、育児、それから介護まであるという状況があり、なおかつ夫が転勤となったら辞めざるを得ない現実もあります。

内海 すごく重い課題です。一つの企業だけでできることではありませんが、私は意識と慣行と制度の三つが大きなテーマだと思っています。

「意識」とは、やはり性別役割分担意識、男性が働いて女性が家を守るというような。私の家も父が働き母は専業主婦でしたから、そういう家庭で育つと無意識にそれが当たり前だということになってしまう。

もちろん今は全く違いますが、私が育った当時はそうで、例えば子どもが小さいとき、フルタイムで働いているので、日中はほとんど家のことは何もできません。でも、自分自身は小学校から家に帰ると母は3時のおやつを出してくれた。だから、私は自分の子どもに対してすごく罪悪感を覚えました。子どもと十分に関わることができていないのではないかと。

一方、子どもが熱を出したら早く帰らなければならず、今のようにテレワークができる時代ではありませんし、1日で熱は下がりませんから2日、3日も職場を休まないといけない。そこで、いつ3日連続の休みになるかわからないから、常に必死に前倒しで仕事をしているなど、家庭にも職場にも罪悪感を覚えながら生活していたわけです。

そういう性別役割分担意識が変わるまでには大分時間がかかる。何となく部長など管理職は男性というイメージが強く、女性の方もそう思ってしまいます。

同じ能力であれば男女どちらが部長でもいいと思いますが、今までそういう世界を見ていないので、何となく女性はいつも自信がなくて、私はあんな立派に仕事はできないから男性の方ができるんじゃないかと無意識に思い込んでしまう。

「慣行」としては、たとえば日本では4月に一括採用し、基本的には年功序列の終身雇用が前提になっていたということです。だから、出産や介護で離脱してしまう女性が戻る場所がない。戻れたとしても、結局は非正規雇用であり、女性の正社員の比率は全然変わらないということになります。これは、終身雇用や年功序列といった「慣行」が影響しているということだと思います。

さらに国の「制度」にも課題があります。よく言われる年収106万円、130万円の壁です。その枠内で働きたい、それを超えればデメリットになってしまうといった問題で、女性も私はそこまでの働きでいいという意識になってしまう。

だから、この三つを同時に改善していかなければならないと思います。組織としてやれることはもちろんやるべきなんですが、私たちの組織だけでは変えられないこともたくさんありますから、それが重い課題だと思います。

【JA全国連組織の女性役員・管理職に聞く】多様な価値観を力に 農林中金常務 内海智江氏(2)

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