JAの活動:JA新組合長に聞く
【'24新組合長に聞く】JA北宗谷(北海道)平野正志組合長 知恵出し危機克服へ2024年6月28日
役員の改選期を迎え、全国のJAで新しい組合長が誕生している。折しも「基本法」(食料・農業・農村基本法)が25年ぶりに改正となり、これからの農業の方向が示されたが、具体的な施策はこれから。一方でJAグループは、今年10月の第30回JA全国大会を控え、いま組織協議が進んでいる。この重要な転換期に農業・JAについてどのようなビジョンをもってJAの運営に臨むか。5月17日に就任した北海道のJA北宗谷の平野正志組合長に聞いた。
平野正志組合長
昨年、JA稚内と合併したばかりです。運営のやり方が違うので、うまくいくかなと心配しましたが、1年経ち、職員や組合員とも馴染んではきてはいます。組合長として、まず役職員の意見をまとめることが第一と考えています。
管内の農業生産は9割が酪農で、生乳出荷の搾乳農家200戸余りで、肉牛も含め約160億円の販売額があります。酪農は経営が成り立つにはある程度の規模が必要で、小規模の経営はどんどん減っています。一方、労働が厳しいことから大規模も生産費の高騰などで、経営が難しくなり、何とか新しい経営スタイルはないものかと模索しているところです。
自給飼料の生産を請け負うコントラクターの育成やTMR飼料(完全配合飼料)を取り入れ、経営の効率化に挑戦する酪農家も出ています。こうした経営を核にしていかに生乳の生産を伸ばすか、知恵を絞るときです。飼料価格の高騰、労働力不足など、いま酪農は〝四面楚歌〟の状態です。これ以上酪農経営が減ると、食料の自給はどうなるのか。この実態を理解してもらうよう〝北の端〟から広く国民に訴えたい。
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