JAの活動:JA全国連組織の女性役員・管理職に聞く
【JA全国連組織の女性役員・管理職に聞く】男女共同を常に意識 JA全中総務企画部長 藤巻美由紀氏(1)2024年7月25日
現在組織協議を行っている第30回JA全国大会組織協議案では前回大会に引き続き「女性活躍」をテーマに掲げている。シリーズ2回目はJA全中の藤巻美由紀総務企画部長に聞いた。聞き手は元JA全農専務で千葉大客員教授の加藤一郎氏。
JA全中総務企画部長 藤巻美由紀氏
全国機関が女性活躍で懇談会
加藤 昨年の10月に「全国機関8団体・女性活躍に関する懇談会」が開かれたと聞きました。まずはその懇談会のことを聞かせてください。
藤巻 懇談会は、女性活躍が今後大きなテーマになるということから開催しました。
政府も昨年6月の骨太方針で上場企業は女性管理職30%以上を目標とする方針や、子育て支援も大きく打ち出され、ではJAグループ全国機関としてどういう状況にあるのか、まずは実態把握と、各団体ごとの人事制度など、その情報交換から始めてみようと集まっていただきました。
実際、いろんな方がいらっしゃいました。
私のようにずっと独身で働いてきたという人もいれば、共働きで子どもがいない人、共働きで子どもがいる人、また、いわゆるシングルで子どもを持って働いている人など、多様な働き方がありました。
単身赴任で子どもと夫を地元に置いて東京で働いているという人もいました。
自分の話で恐縮ですが、私は雇用機会均等法6年目に就職活動を始めました。当時、マスコミはこの問題を取り上げていて、22歳で社会に出て6年経つと、28歳から30歳近くになり、結婚、出産して働くかどうかということに、均等法1期生が直面しているというのがマスコミが注目していた理由でした。実際、結婚、出産で仕事を辞めていたという事例の報道もありました。
今は結婚して子どもを持って働いていくことが当たり前になり、当時から30年経って変わってきたわけですが、そのなかで今思うのは、とくに自分が人事課を所管していることもあり、やはりロールモデルが必要ではないかということです。
先陣を切った女性の先輩の姿をロールモデルとし、こういう姿を目指して働きたいといったことを若い女性職員にもってもらうということです。その意味では、今回、さまざまな働き方をしている女性管理職のみなさんと情報を共有化ができたことはよかったと思っています。
こうした懇談会も踏まえて、では、そうした姿を多様性を持ちながらどう実現していくか、これから問われてくると思っていますが、制度や環境を整備することと合わせて、実際に運用されることが重要だと考えています。
制度があっても利用する人がいなければ、結局、多様性がある職場は実現できません。では、運用をどうするかを考えると、これは女性だけの問題ではないですね。男性も同じように子育てに参加していくというのは大きな要素ではないかと思っています。
これは女性の働き方であり、男性の働き方でもある。つまり、社会全体の働き方をどうしていくかということが、これから少子高齢化がより鮮明になっていく社会では確実に重要な問題だと思っています。
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