JAの活動:JA全国連組織の女性役員・管理職に聞く
【JA全国連組織の女性役員・管理職に聞く】男女共同を常に意識 JA全中総務企画部長 藤巻美由紀氏(2)2024年7月25日
男女共同を常に意識 JA全中総務企画部長 藤巻美由紀氏(1)から続く
JA全中総務企画部長 藤巻美由紀氏
加藤 この取り組みは非常に良いと思いますが、懇談会のことが情報発信されていないですね。中央会が音頭を取って広く開示して共有化していくことが重要です。
藤巻 おっしゃるとおりで、まだまだ内々の状況がどうなっているかを共有化したというファーストステップを踏んだぐらいです。
一方で全中はJAの女性役員や管理職の実態について調査しており、今は20%程度の女性管理職比率となっています。全国機関でも若い世代は子育てしながら働いていくことが当たり前になってきました。こうした動きが次につながっていくことだと思います。
また、全中では海外赴任休職制度があり、全中に籍を置きながら、夫の海外赴任とともに3年海外で暮らし、また戻ってくることができる制度も設けました。先ほども申し上げましたが、その制度を運用していくことが重要です。
育休を取得する男性職員も出てきました。そういう意味でも30代半ば層の踏ん張りというのが大きいのではないかと思っています。
たとえば、保育園で子どもが熱を出したというとき、普通、まずお母さんに連絡が入るのを、お父さんを最初の連絡先とすると違うらしいです。お母さんに電話が入ると私がやらなきゃ、となりがちなのに、夫から連絡を受けて話し合って決めるようになったなど、そういう個人の工夫が当たり前になっていくこともいいと思います。
そういう話を子育て中の女性職員に話すと、たとえば、お弁当は夫が作っているという話もありました。個々の家庭での工夫を働き方の中で当たり前のように受けとめていく。これが好循環を生むのではないかと思っています。
ワークライフバランスは必須の課題
加藤 JAグループは組織の組成原理からいえば、協同組合ですから平等の風土があるはずです。その点では女性活躍については、もっとリーダーシップをとっていく組織ではないかとも思います。これは女性の働き方の問題でもあり、男性の働き方の問題でもあるということですね。
藤巻 ちなみに第30回JA全国大会組織協議案では29回に引き続き女性活躍は取り組み課題として挙がっています。とくに組織で離職が増えているという問題意識や、また、いわゆる労働人口が少なくなっていけば、まさに持続可能性を考えると、ワークライフバランス、それを踏まえた働き方をどうしていくかというのがテーマで、多様な職員の働きやすい環境整備や女性の登用が大会の組織協議案の中でも挙がっています。
加藤 JAグループにとっては中央会の今後の指導力も期待されていると思います。
藤巻 ありがとうございます。やはりキーワードとしては運用だと思います。諸制度は各団体でよく考えられているわけですが、運用はどうか。制度は常に、作った途端、劣化していきますから、当然必要な見直しを行わなければなりません。
これから本当に社会全体、組織も含めて持続可能性を問うた場合には、やっぱり男女共同で働き方をよく考えていく。
女性活躍と言われますけど、それは男性の活躍でもあると思っています。新しい働き方をどう受けとめて、柔軟性を持って対処していくかというのが極めて重要ではないかと思っています。
ふじまき・みゆき 平成4年4月全国農業協同組合中央会入会 19年4月経営企画部経営企画課長、23年4月総務企画部総務企画課長、26年4月農業対策部畜産園芸対策課長、29年4月JA経営改革推進部次長、令和2年8月総務企画部長(現職)
重要な記事
最新の記事
-
【令和6年度 鳥インフルエンザまとめ】2025年1月22日
-
【特殊報】チャ、植木類、果樹類にチュウゴクアミガサハゴロモ 農業被害を初めて確認 東京都2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(1)どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(2) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(3) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(4) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
禍禍(まがまが)しいMAGA【小松泰信・地方の眼力】2025年1月22日
-
鳥インフル 英イースト・サセックス州など4州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】消費者巻き込み前進を JAぎふ組合長 岩佐哲司氏2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】米も「三方よし」精神で JAグリーン近江組合長 大林 茂松氏2025年1月22日
-
京都府産食材にこだわった新メニュー、みのりカフェ京都ポルタ店がリニューアル JA全農京都2025年1月22日
-
ポンカンの出荷が最盛を迎える JA本渡五和2025年1月22日
-
【地域を診る】地域再生は資金循環策が筋 新たな発想での世代間、産業間の共同 京都橘大学教授 岡田知弘氏2025年1月22日
-
「全日本卓球選手権大会」開幕「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年1月22日
-
焼き芋ブームの火付け役・茨城県行方市で初の「焼き芋サミット」2025年1月22日
-
農のあるくらし日野のエリアマネジメント「令和6年度現地研修会」開催2025年1月22日
-
1月の「ショートケーキの日」岐阜県産いちご「華かがり」登場 カフェコムサ2025年1月22日
-
「知識を育て、未来を耕す」自社メディア『そだてる。』運用開始 唐沢農機サービス2025年1月22日
-
「埼玉県農商工連携フェア」2月5日に開催 埼玉県2025年1月22日
-
「エネルギー基本計画」案で政府へ意見 省エネと再エネで脱炭素加速を パルシステム連合会2025年1月22日