JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(13)【今さら聞けない営農情報】第279回2024年12月21日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しています。まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。
農薬を正しく使用するためには、これら剤型の性格をきちんと把握しておく必要があります。なぜなら、剤型によって作物への付着具合が異なり、有効成分の作物への付着具合が農薬の効果に大きく影響するからです。現在、その剤型ごとにその特徴と正しい使用方法、使用上の注意事項を紹介しています。
前回から製剤をそのまま散布する製剤をご紹介しており、今回はその8つめのくん蒸剤です。
8.くん蒸剤(略記号:特に無し )
常温で気化する有効成分を使用し、ガス化した有効成分を土壌や倉庫内などに拡散させて、土壌中や倉庫内および穀類など貯蔵物の内部に潜む病害虫を防除するために使用します。特に 農産物の輸出の際には、植物防疫のため、くん蒸剤によるくん蒸が義務付けられている農産物もあります。
有効成分の揮発性が高いため、耐圧缶などに詰められており、封を開けると即座に気化するため刺激臭が漂う製品がほとんどです。このため、くん蒸剤を使用する際には、防護マスクや防護メガネを装着して作業する必要がありますので、使用前に製品の取り扱い上の注意事項をよく読んで、正しく使用して下さい。
土壌病害虫や雑草防除目的でよく使用される土壌くん蒸剤は、揮発性の高い有効成分を専用の注入器などで土壌中に注入する際に、揮散して刺激臭が漂う製品がほとんどです。これらを使用する場合は、注入後即座に土壌鎮圧した後に速やかにフィルム被覆が必要になります。製品によっては被覆が不要な場合もありますが、効果を安定させるためには、注入した範囲にくん蒸ガスを閉じ込めて、土壌病害虫雑草が所在する部分にガスを行き渡らせる必要があり、そのためにも被覆する方がよいようです。
専用の機械を使用すると、注入と同時に畝立てしてマルチかけするものもありますので、これらを活用すると安全かつ安定して使用できます。
また、製品によっては、労力が少なく処理できる、畝立て被覆内の灌水チューブを介して注入できる製品もあります。
(つづく)
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