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JAの活動:今さら聞けない営農情報

農薬の正しい使い方(14)【今さら聞けない営農情報】第280回2025年1月11日

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 「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しています。まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。

 農薬を正しく使用するためには、これら剤型の性格をきちんと把握しておく必要があります。なぜなら、剤型によって作物への付着具合が異なり、有効成分の作物への付着具合が農薬の効果に大きく影響するからです。現在、その剤型ごとにその特徴と正しい使用方法、使用上の注意事項を紹介しています。

前回から製剤をそのまま散布する製剤をご紹介しており、今回はその9つめの塗布剤・ペースト剤と10つ目の油剤です。

9.塗布剤・ペースト(略記号:特に無し ) 
  粘性の高い軟膏状の製剤で、剪定痕などに直接塗り付けて、傷からの病原菌の侵入を防いだり、保湿したりする製剤です。手指のひび割れなどの時に使う軟膏などをイメージするとわかりやすいでしょう。

 果樹では、樹勢や樹形を整えるために剪定作業が不可欠ですが、その作業は、樹木に直接傷をつけるため、内部組織をむき出しの状態にしてしまうため、病原菌の胞子などがあれば、その傷口を介して容易に侵入を許してしまう可能性が高くなります。剪定などの作業の後にハケなどを使用して、傷口を塞ぐように丁寧に塗布して使用します。

10.油剤(略記号:O ) 
  農薬の有効成分そのままであったり、水に溶けない有効成分を有機溶剤に溶かした油状の製剤です。

  製品によっては希釈して散布する場合もありますが、基本的には製剤をそのまま使用します。

  カイガラムシ類の気門を防ぐ物理的防除剤のマシン油剤もこの分類になります。

  主な使用方法は、①土壌へ注入、②樹木に穴を開け直接注入、③田面水への流し込み・滴下、④樹木等に高濃度希釈で噴霧するといった方法がとられます。

  マシン油の場合、高濃度希釈で樹木等に直接散布して害虫の気門を塞いで窒息させることができますが、高濃度であるため、生育期の散布では薬害のリスクが高くなります。このため、カンキツなど一部の樹種を除いて、マシン油は基本的に冬場などの樹木が動いていない時に使用します。

(つづく)

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