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JAの活動:未来視座 JAトップインタビュー

「農業者のための農協」貫く(2)JAみっかび組合長 井口義朗氏【未来視座 JAトップインタビュー】2025年3月4日

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「もうかる地域農業をマネジメントする協同組合」を実践する静岡県のJAみっかび。「三ヶ日みかん」は全国ブランドとして名を馳せる。その裏には計り知れない先人の苦労もある。組合長の井口義朗氏に銘柄産地への思いや方向を聞いた。インタビュアーは文芸アナリストの大金義昭氏。

#組合員から学び基準はシンプル

JAみっかび組合長 井口義朗氏

JAみっかび組合長 井口義朗氏

適正価格も理解不可欠

井口 今年は果実も野菜も需給バランスが崩れ、在庫も前年同月比で50%くらい。気候変動もあって、来年以降も生産が大きく増えることはないのではないか。食料・農業・農村基本法の改正に伴う合理的価格形成が課題ですが、消費者の皆さんがこの生産量や価格を受け入れられるかどうか。大きな過渡期です。

大金 ミカンの全国生産量が減少する中で、東洋一の柑橘選果場は「未来への投資」ですか?

井口 2030年までに果樹の経営面積が20万haから11万haに、経営体数が13万から6・5万に激減する見込みですが、「量は力」で「三ヶ日みかん」は3万tの生産量とそのために必要な面積を死守すれば必ず利益が出る! ピンチはチャンスで、チャンスにチャレンジするために、組合員の労力軽減を図っています。

さらに2001年からマッピングを入れたデータも蓄積しているので、これを有効活用して組合員一人ひとりの解析を進め、「数値」に基づいたミカン経営の選択指標を示せるようにしたい。マーケットニーズに応えるべくA Iを導入し、細かく選別できる機能もありますが、そこまでコストをかけていくと所得が減りかねない。

協同組合事業分量=平均経済活動量×平均利用率×組合員数

これは私の経営理念を示す算式なのですが、「協同活動」への組合員の結集こそが「リスクの最小化」と「チャンスの最大化」を図るJAの「強み」です。そのためにも柑橘選果場の機能を最大限に発揮していきたい。

野菜は露地でもハウスでもすぐに作れるじゃないですか。ミカンはそうはいきません。一番いいのはミカン畑ごと空き家を借りてもらい、「家とミカン畑」付きの新規就農はいかが? というのが理想です。(笑)

大金 「生産協同組合」の志を貫いてきたJAみっかびから、JAグループの皆さんに寄せるメッセージは?

組合員の声強みに転換

井口 「三ヶ日みかん」の商標を登録してブランドを構築し、これを維持する過程はトップダウンではありませんでした。活発に意見を述べ合う組合員のボトムアップを吸収する組織が機能してきました。大型合併農協が、そのような「強み」をどう発揮するか。生産が急激に縮退している現状で、合併した農協がそれぞれに持っていたブランドを、高度な共選場を機能させて近くの産地を一つにまとめ、強力なブランドにすることができればスケールの大きな話にはなります!

大金 「万人これを試し、禍(わざわい)なきは農なり」と唱えてきた来歴も窺いたい。ミカン農家生まれですか?

井口 そうです! 長男だから、親が敷いたレールに乗った(笑)。熱中していた軟式テニスで先輩から日本体育大学に誘われたのですが、裕福でなかったこともあり就職してもいいかなと、地元の静岡県立農林短大を出て農協に入りました。

農協では営農指導畑が長く、道も人も家も覚えられた。肩をたたかれて「おい!」「やあ!」と組合員に声を掛けられ、酒を呑んで教育してもらいました。(笑)

有線放送の効用も大きく、会ったことのない人からも私の声を聞き、「ああ、あんたかね!」と良く言われた(笑)。今は有線が廃止になり、職員も30%が町外出身者です。毎月『組合だより』を配る担当農家の25軒くらいは分かりますが、それもこれから2カ月に1回になります。「おい!」「やあ!」は渉外の職員たちだけですかね。人間関係が希薄化している。

デジタル時代でも、協同組合は人と人とのライブな接点やコミュニケーション能力が大切です。

あの中川晋さんはかつて「東京ディズニーランドを見習え! 組合員はゲストで、職員はキャストだ。演じろよ!」とお亡くなりになる直前まで繰り返し言っておられました。

その命を受けて私も総務部長の時に全職員をディズニーランド研修に帯同しました。

私もたくさんの講演を聞いたり、視察をさせてもらいましたが、「良い組織」は、「あいさつ」「きれい」「雰囲気」で決まる。基本はシンプルです。それができれば「夢と希望に満ちた緑豊かな地域づくり」の農協になれる!  「街中で軽トラや2t車に行き会ったら、みんな組合員さんだから、必ずあいさつしろよ!」と激励しています。

【インタビューを終えて】

雑誌『家の光』の戦前に、賀川豊彦の小説「乳と蜜の流るゝ里」があった。主人公が奮闘し、地域に協同組合を育む物語だ。敗戦直後には、井口小夜子や川田正子が歌ってヒットした童謡「みかんの花咲く丘」があった。そんな小説や歌の風景が目の前に広がるような話に引き込まれた。サバサバした井口さんには「三ヶ日みかん」のDNAが組み込まれている。ブランド産地の飽くなき挑戦と、ミカンの白い花が放つ爽やかな甘い香りが伝わってきた。井口さんには「男気」の花がある!(大金)

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