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農薬の正しい使い方(24)【今さら聞けない営農情報】第290回2025年3月22日

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 「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考え、まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。

 農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されます。そこで、前回より、水和剤や乳剤、液剤、フロアブル剤など水に希釈して散布する剤型を題材に、それらを効率的に作物へ付着させる方法について整理を試みています。

 前回までに、作物のぬれ性と展着剤の要否の関係と展着剤の使用方法を紹介しました。今回は、使用する展着剤にはどのようなものがあるか紹介します。

 展着剤の主成分である界面活性剤にはいくつも種類があり、①薬液の中に有効成分が均一になる乳化や分散性を向上させるもの、②作物表面への固着力を強化するもの、③作物体内への浸透力を高めるもの、④水和剤など鉱物質キャリアの製剤が水の中で均一になるのを助ける懸濁性を高めるもの、⑤希釈液をつくる際に発生する泡を抑える消泡効果を示すものなどがあります。

 展着剤の性能や用途は、その展着剤にどの界面活性剤を使用しているかによって決まります。

 展着剤のラベルには、「濡れ性向上」などと使用目的が明記されているので、展着剤を選ぶ際には、メーカーのホームページなどを確認し、製品ラベルの内容をよく確認することをお勧めします。

 例えば、農薬の固着性を向上させるために使用する展着剤は、樹脂エステルやパラフィンを主成分としており、農薬を長く作物に付着する(固着させる)働きをして、銅剤やマンゼブ剤などの保護殺菌剤の残効を長くすることができます。また、薬液の浸透性を高める効果に示すものを機能性展着剤と呼んでおり、農薬と機能性展着剤を混用して散布すると、農薬成分の作物体内への浸透力を高める機能を示し、散布後に雨の影響を受けにくくなったり、残効が長くなったりといった効果があります。

 このように、使用する農薬や散布対象の作物、加えて発揮させたい機能を決め、それに合致する機能を持つ展着剤を選ぶようにするとよいでしょう。

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