JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(25)【今さら聞けない営農情報】第291回2025年3月29日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考え、まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。
農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されます。そこで、前回までに、水和剤や乳剤、液剤、フロアブル剤など水に希釈して散布する剤型を題材に、それらを効率的に作物へ付着させる方法について整理し、展着剤の使用方法を紹介しました。今回より、実際に散布する際に気を付けなければならない条件について紹介していきたいと思います。
まず最初に風です。いうまでもなく、農薬散布を行う場合は、風の影響が一番大きく、加えてドリフト等による他への影響も最も大きいので十分に注意する必要があります。特に、散布時の風速を十分に意識しなければなりません。
農薬散布時の風速は、農林水産省の空中散布ガイドラインでは風速3m/s以下で散布することとなっています。 風速3m/sとは、時速に直すと10.8km/h(3m/s×3600s=10,800m=10.8km)となり、ジョギングしている時や扇風機の中メモリの時に受ける風ぐらいです。外であれば木の葉がかさかさ動き始める程度の風ですので、これを目安にしながら散布することを基本として下さい。
実際のほ場ではもう一つ気をつけないといけないものがあります。それは、植え付けられた作物が起こす乱気流です。ビル風など建物によって気流の乱れが起こることはよく知られていますが、実はこれと同じことが実際の田畑でも起こっています。作物を地面に建った建物と思えばわかりやすいのですが、この乱気流によって小さく軽い粒子である散布ミストが舞い上がってしまい、作物に届かずに空気中に吹き飛ばされてしまいます。当然のように散布ミストは作物の間に入り込むことができずに、株間や株元など薬剤が届いてほしい部位に届かなくなってしまいます。農薬の効果不足は、こういった散布時の乱気流の発生によって実は薬剤が作物にきちんと付着していなかったというのが原因というケースも多いようです。
このため、農薬散布はできるだけ無風状態で行うのが理想です。しかし、実際には適期散布をしなければならない時にタイミングよく無風状態であることはそう多くはありません。そのため、風が少ない朝夕の時間帯を狙うか、風の影響の少ない薬剤を選ぶなどして風の影響を極力さけるような工夫が必要です。
重要な記事
最新の記事
-
米 推計19万tが分散して在庫 農水省調査2025年3月31日
-
【人事異動】農水省(4月1日付)2025年3月31日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類西表島、小浜島で多発のおそれ 沖縄県2025年3月31日
-
【注意報】かんきつ、びわ、落葉果樹に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 静岡県2025年3月31日
-
農業は恰好いいと示したい トラクターデモに立った農家の声 「令和の百姓一揆」2025年3月31日
-
4月の野菜生育状況と価格見通し 果菜類、ほうれんそう、レタスなどは平年並みへ 農水省2025年3月31日
-
農林中金 総額6428億円の増資を実施2025年3月31日
-
25年産米「概算金のベース」 あきたこまち60キロ2万4000円 全農あきたが情報共有2025年3月31日
-
「農山漁村」インパクト可視化ガイダンスなど公表 農水省2025年3月31日
-
北アルプスの水と大地が育む米「風さやか」使用 ツルツル食感の米粉麺はスープも含めグルテンフリー JA大北2025年3月31日
-
特産の小松菜をバームクーヘンに 試食した市長も太鼓判 JAちば東葛2025年3月31日
-
三鷹キウイワイン 市内のキウイ使った特産品 JA東京むさし2025年3月31日
-
地域の営農継続へ JA全国相続相談・資産支援協議会を設置 JA全中2025年3月31日
-
中央支所担い手・若手農業者研修会を開く JA鶴岡2025年3月31日
-
全国の農家へ感謝と応援 CM「Voice」フルバージョン配信開始 JA全農2025年3月31日
-
セメント工場排ガスから分離・回収した二酸化炭素の施設園芸用途 利用へ取組開始 JA全農2025年3月31日
-
カナダで開催の世界男子カーリング選手権 日本代表チームの食事をサポート JA全農2025年3月31日
-
JA鶴岡「もんとあ~る」dポイント加盟店に 4月1日からサービス開始2025年3月31日
-
JA全中「健康経営優良法人2025」に認定2025年3月31日
-
「佐賀牛 生誕40周年記念キャンペーン」開催中 数量限定40%OFF JAタウン2025年3月31日