JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(26)【今さら聞けない営農情報】第292回2025年4月5日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考え、まずは、農薬を正しく使うための第一歩である農薬の製剤に関する基礎知識をご紹介しています。
農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されます。そこで、前回までに、水和剤や乳剤、液剤、フロアブル剤など水に希釈して散布する剤型を題材に、それらを効率的に作物へ付着させる方法について整理し、展着剤の使用方法を紹介しました。前回より、実際に散布する際に気を付けなければならない条件について紹介しています。
今回は雨です。
雨が降ったら、まず農薬散布はできません。FG剤やジャンボ剤など拡散性製剤の場合は、容器や製剤を雨に濡らさないように注意すれば散布できないことはないですが、雨によるオーバーフローの発生など圃場外への流出のリスクが大きくなったり、粒剤が濡れた葉などに付着して部分的な薬害の要因になったりする恐れがありますので、基本的に雨の場合は農薬散布を避けるようにしましょう。
特に雨の影響を受けやすい散布方法は水に希釈して散布する方法です。それは、作物表面に雨滴が付着している場合、雨滴が邪魔をして散布液が作物に付着しにくくなったり、流れ落ちる量が多くなるからです。かろうじて付着できたとしても、その希釈液の量は少なく、また雨滴で希釈液の濃度が薄まって有効成分量の低下が起こり、そのために防除効果の低下が起こるからです。
また、農薬散布後も雨の影響を受けます。
特に希釈液を散布する場合、散布後に乾燥・固着が不十分な時に雨が降ると、せっかく作物に付着した薬液が洗い流されてしまい、効果低下を起こしてしまいます。乾燥・固着が十分になった後であれば、よほどの強い雨でなければ、効果に影響があるほど流れ落ちることはありません。このため、気象情報などをよく把握して、散布後すぐに雨が降りそうな時は農薬散布を行わないようにした方が得策です。
農薬を散布する日は、希釈液が完全に乾燥する時間(最低2~3時間)が確保できる日を選ぶようにして下さい。最近は1kmメッシュ気象情報などで、かなり正確な降雨予報が手に入るようになりましたので、これらを利用すると良いでしょう。
また、乾燥・固着後であっても作物表面に付着した農薬は雨によって徐々に流されてしまうので、梅雨など雨の日が多い時期には、雨での流亡も考慮して散布間隔を短くするなどの工夫が必要です。
農薬の雨に対抗する性能(耐雨性といいます)については、製品ラベルの注意事項欄等に書かれていますので、散布前によく確認しておくように心掛けて下さい。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(172)食料・農業・農村基本計画(14)新たなリスクへの対応2025年12月13日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(89)フタルイミド(求電子剤)【防除学習帖】第328回2025年12月13日 -
農薬の正しい使い方(62)除草剤の生態的選択性【今さら聞けない営農情報】第328回2025年12月13日 -
スーパーの米価 前週から14円下がり5kg4321円に 3週ぶりに価格低下2025年12月12日 -
【人事異動】JA全農(2026年2月1日付)2025年12月12日 -
新品種育成と普及 国が主導 法制化を検討2025年12月12日 -
「農作業安全表彰」を新設 農水省2025年12月12日 -
鈴木農相 今年の漢字は「苗」 その心は...2025年12月12日 -
米価急落へ「時限爆弾」 丸山島根県知事が警鐘 「コミットの必要」にも言及2025年12月12日 -
(465)「テロワール」と「テクノワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月12日 -
VR体験と牧場の音当てクイズで楽しく学ぶ「ファミマこども食堂」開催 JA全農2025年12月12日 -
いちご生産量日本一 栃木県産「とちあいか」無料試食イベント開催 JA全農とちぎ2025年12月12日 -
「いちごフェア」開催 先着1000人にクーポンをプレゼント JAタウン2025年12月12日 -
生協×JA連携開始「よりよい営農活動」で持続可能な農業を推進2025年12月12日 -
「GREEN×EXPO 2027交通円滑化推進会議」を設置 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月12日 -
【組織改定・人事異動】デンカ(1月1日付)2025年12月12日 -
福島県トップブランド米「福、笑い」飲食店タイアップフェア 期間限定で開催中2025年12月12日 -
冬季限定「ふんわり米粉のシュトーレンパウンド」など販売開始 come×come2025年12月12日 -
宮城県酪初 ドローンを活用した暑熱対策事業を実施 デザミス2025年12月12日 -
なら近大農法で栽培「コープの農場のいちご」販売開始 ならコープ2025年12月12日


































