JAの活動:年頭あいさつ2015
加倉井 豊邦 氏(全国厚生農業協同組合連合会 経営管理委員会会長)2015年1月1日
平成27年の年始にあたり、JAグループから農業協同組合新聞・JAcomに寄せられた年頭のごあいさつを紹介します。
地域医療機関の連携で地域医療を守る
新年にあたり、日頃からJAの厚生事業にご理解とご協力を賜っております皆様方に、衷心より厚く御礼を申しあげます。
また、東日本大震災の被災地では復興への取り組みが進んできたとはいえ、いまだ道半ばであり、復興に尽力されている皆様に心から敬意を表しますとともに、一日も早い復興をお祈りする次第であります。
さて、JA厚生事業を取り巻く環境は、全国的な医師・看護師不足や、2025年度の医療提供体制の再構築に向けた、医療・介護サービスの改革による高齢者介護需要増加への対応、さらには昨年4月からの消費税率8%への引き上げにともなう病院経営の影響等、依然として厳しい環境下におかれております。
さらに、昨年6月に閣議決定された規制改革実施計画で、厚生連病院は社会医療法人への転換が可能となるよう検討する、とされました。厚生連としては、これまで公的医療機関として果たしてきた役割と責任を踏まえ、これからもJAの厚生事業として実施していくべきものと考えております。
このような環境下にありまして、JA厚生連は全国34の厚生連において110の病院、61の診療所を拠点に地域医療を担い、年間2790万人の方々に医療サービスを提供するとともに、300万人の方々に健康診断を実施しております。これからも、JAグループの一員として、組合員・地域住民の皆様が健康で豊かな生活を送ることができるよう、保健・医療・高齢者福祉ニーズと人的資源に見合った施設・サービスを提供していくことが重要であると考えております。
平成27年度は、第7次3カ年計画の最終年度となりますが、3カ年計画を着実に実行するため、より積極的な事業展開を図ることとしております。
具体的には、[1]医療計画や介護保険事業計画などを踏まえた保健・医療・高齢者福祉サービス提供体制の構築促進、[2]医師・看護師の安定的確保、[3]厚生連の経営健全化、[4]JA厚生事業実施条件の整備を基本として、事業活動を展開することとしております。
厚生事業を取り巻く環境は困難な課題も多く抱えていますが、農村地域の無医地区の解消と低廉な医療供給を目的とした、厚生事業の根幹は揺らぐものではありません。規制改革の議論が表面化する等社会情勢が大きく変化している今日、必要な改革は自ら行い、変化に適応した地域医療・福祉のあり方を構築する必要があります。
都市部と農村部地域の医療格差が拡大する中で、農村部に多く立地しているJA厚生連の病院や診療所は、都市部に比べ不利な条件ではありますが、地域医療を守るため、地域の開業医や病院等との連携をとり、組合員をはじめ地域住民の期待に応えるため、安心・安全なサービスを提供して、地域の医療・福祉に貢献してまいります。皆様方のより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申しあげ、新年のご挨拶とさせて頂きます。
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