JAの活動:JAトップアンケート 今、農業協同組合がめさずこと
【JAトップアンケート】JA周南 金子光夫経営管理委員会会長 「正組合員増やす仕組みを」2015年10月28日
JAグループは10月15日の第27回JA全国大会で「創造的自己改革への挑戦」のスローガンのもと、「農業者の所得増大」と「農業生産の拡大」「地域の活性化」に全力を尽くすことを決議した。これらの課題を全国各地で地域特性に合わせて実践していくには、各JAトップ層のリーダーシップ発揮が期待される。そこで本紙では「今、農業協同組合がめざすこと」をテーマにJAトップ層の考え、思いを広く発信しJA運動と事業の発展に資すればと考えアンケートを実施した。今回は、JA周南の金子光夫経営管理委員会会長のご意見を掲載する。
JA周南
金子光夫経営管理委員会会長
回答日:2015.9.28
【問1】あなたの農協では、農業・地域に対し、どんな役割を果たそうと考えておられますか。今後もっとも重要な役割だとお考えの内容をお書きください。
総合力・総合事業により「くらし」を基点に、地域でのJAの存在価値(JAファン創り)を高めていきたい。その中で農業によって「くらしを豊かに」すること、つまり「農業所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」を最重要課題として取り組む。
【問2】問1の役割を果たすうえで、今、農業・地域での最大の課題は何ですか。
農業、地方消滅論(人口減少)でも、一番の課題は「次世代・後継者対策・人」(正組合員の複数化と言いながら次世代は育っていない現状)である。法人化・集落営農・企業参入は大いに結構だが、日本の農業を支えてきたのは「兼業農家」でもある。中山間地が70%を占める地方には大規模化は大変難しい状況の中で、少量多品目・適量栽培で地域内流通(地産地消)での活路を開くしか方法はない。
【問3】問2の課題を解決するため、もっとも力を入れようと考えておられることは何ですか。
上記の解決法は「人の確保」につきる。
農家の高齢化を踏まえ「正組合員世帯の正組合員複数化」「准組合員から正組合員化」「地域住民から正組合員化」などが図れる仕組みづくりや新たなビジネスモデル(耕作放棄地の活用・JAが農業経営等)を構築したい。併せて、JAファン創りを積極的に行いシェアの向上(ライフラインとして役割)へ取り組む。
【問4】問3に関連して、第27回JA全国大会議案では「9つの重点実施分野」を掲げています。このうち課題を解決し、貴JAがめざす姿を実現するために、もっとも重要と考えておられる事項を3つあげてください。また、その分野において、どんな取り組みを考えておられるのか、具体的内容をお書きください。
b=マーケットインに基づく生産・販売事業方式への転換
(具体的取組内容)
生産から販売までの一体化(消費者ニーズへ対応力)
・直売所販売や買取販売(エンドユーザー目線)の強化
・販売額へのインセンティブポイント付与
f=営農・経済事業への経営資源のシフト
(具体的取組内容)
・営農指導員を9人から25人へ増員(生産から販売までの一体化を目指す姿とする)
・経営資源の再配置は、必然的に「仕事のやり方を変える事業展開」が求められる。
h=正・准組合員のメンバーシップ強化
(具体的取組内容)
・事業への参加・参画可能な体制(地域住民も含む)
(形より実務を優先‥活動への参加・意見交換の場の提供など)
【問5】第27回JA全国大会を機に、JAトップとして内外に発信したいお考えをお書きください。
原点(協同組合)に立ち返り、
・組合員等利用者(地域)と向き合いウィンウィンの関係づくりの構築(三方よし)
・変化を好まなければ、存続の危機に直面すること。改革とは経営資源の再配置であり仕事を変える。(既成概念から脱却)
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