JAの活動:JAトップアンケート 今、農業協同組合がめさずこと
【JAトップアンケート】JAいがほくぶ 松生憲一代表理事組合長 「地域に活気呼び起こす」2015年11月24日
今回は、JAいがほくぶの松生憲一代表理事組合長のご意見を掲載する。
JAいがほくぶ
松生憲一代表理事組合長
回答日:2015.10.1
【問1】あなたの農協では、農業・地域に対し、どんな役割を果たそうと考えておられますか。今後もっとも重要な役割だとお考えの内容をお書きください。
伊賀市においては若者の減少、農業の高齢化が進行しています。
特に農業の後継者不足は農地の荒廃地化に拍車をかける状況となっています。地域の繋がりを深める祭など行事での人不足により、伝統行事の衰退や農村の活性が図れない実態があります。
JAは地域の中で農を要とした総合事業を行っております。農業協同組合が地域農業と地域生活に果たす役割等を「JAいがほくぶ運営基本構想」の中で、私たちがめざすビジョンとして、
・地域に活気を呼び起こす農の振興
・生きがい・安らぎの創造と住み良いまちづくり
を実現すると組織合意し、ビジョン実現に向け組合員・役職員意識統一を図り取組むことが肝要と考えます。
【問2】問1の役割を果たすうえで、今、農業・地域での最大の課題は何ですか。
1.農業面では、
農地と地域の農業環境を守るため、多様化する農家に対応する営農指導体制を整備してきました。地域の合意形成による担い手づくりという点において、任意組織から法人化への流れも、行政と一体となり作ってきました。
しかし、集落営農組織が存在するのは全集落の約54%で、半数が農地の受け手を見いだせないまま、農地が遊休地化する事態も発生しています。10年後には担い手が減少し、集落に担い手がいなくなる集落が増加すると予測しています。
農地と地域の農業環境を守ることが難しくなることが予想されます。
【問3】問2の課題を解決するため、もっとも力を入れようと考えておられることは何ですか。
(1)組合員の加入促進による組織基盤の拡充=新規就農者や女性農業者等への加入促進と組合員組織活動活性化。
(2)組織運営システムのルール整備確立=既存の組織関連整理と組合員総意が的確に反映するシステムの検討。女性のJA運営への参画。
(3)組合員学習=JAの組織力・結集力の強化のため組合員学習の体系化と実践。次世代対策活動の充実。
(営農事業面)
(1)産地づくり、産地強化の推進=良食味米産地の確立の取り組み、伊賀牛の振興のため品質向上、ブランド力強化、生産支援体制の整備、園芸振興のため重点振興作物の行政・JAグループと連携した産地生産体制の構築、販売力の強化、生産部会の活性化。
(2)直売所を核とした農産物等の流通販売の新たな流れを創出する取り組み=新直売所の建設と出荷者組織の参画、直売所を中心とした栽培農産物の指導、直売所を活用する6次産業化の展開。(3)多様な担い手づくりの推進=▽大規模農家向け:個々の経営内容に即した対応、指導と支援策▽集落営農組織向け:組織づくり、組織のネットワークづくり(上記2グループ向け:農地中間管理機構を通じた農地集積)▽小規模農家向け:小規模グループによる省コスト化の提案、栽培推進委員を通じた栽培技術指導▽高齢者・女性農業従事者:定年帰農者への支援体制、女性農業者への各種研修会の開催。
【問4】問3に関連して、第27回JA全国大会議案では「9つの重点実施分野」を掲げています。このうち課題を解決し、貴JAがめざす姿を実現するために、もっとも重要と考えておられる事項を3つあげてください。また、その分野において、どんな取り組みを考えておられるのか、具体的内容をお書きください。
a=担い手経営体における個別対応
(具体的取組内容)
大規模な担い手はもとより、地域農業や農村を支える多様な担い手に対する支援が必要。集落営農組織の立ち上げ時の支援や活動の充実により地域農業と農地を維持する取り組みを行う。
小規模農家への農業に対する交付金が減少するなかで、グループ化による作業や生産費用の低減の提案。
e=新たな担い手の育成や担い手のレベルアップ対策
(具体的取組内容)
新規就農者、規模拡大農業者等へ営農振興基金や集落助成対策を実施する。
g=JA事業を通じた生活インフラ機能の発揮、JAくらしの活動を通じた地域コニュニティの活性化
(具体的取組内容)
地域の小売店が閉店するなど、生活に必要なサービスの機能が低下している。JAの渉外体制の充実・強化を図り、総合事業によるサービスを提供する方策が必要。組合員第1世代のリタイアが続くなかで組合員や家族、後継者への各種相談(年金、法律、税務、相続)セミナーの開催・充実を図る。
【問5】第27回JA全国大会を機に、JAトップとして内外に発信したいお考えをお書きください。
農協法改正・農協改革に対し地域農業の現状が正しく伝わるように伝えていく。
組合員、役職員が共有する地域農業の振興方策を策定する。
重要な記事
最新の記事
-
米農家(個人経営体)の「時給」63円 23年、農業経営統計調査(確報)から試算 所得補償の必要性示唆2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(1)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(2)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
変革恐れずチャレンジを JA共済連入会式2025年4月2日
-
「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日
-
JAみやざき 中央会、信連、経済連を統合 4月1日2025年4月2日
-
サステナブルな取組を発信「第2回みどり戦略学生チャレンジ」参加登録開始 農水省2025年4月2日
-
JA全農×不二家「ニッポンエール パレッティエ(レモンタルト)」新発売2025年4月2日
-
姿かたちは美しく味はピカイチ 砂地のやわらかさがおいしさの秘密 JAあいち中央2025年4月2日
-
県産コシヒカリとわかめ使った「非常時持出米」 防災備蓄はもちろん、キャンプやピクニックにも JAみえきた2025年4月2日
-
霊峰・早池峰の恵みが熟成 ワイン「五月長根」は神秘の味わい JA全農いわて2025年4月2日
-
JA農業機械大展示会 6月27、28日にツインメッセ静岡で開催 静岡県下農業協同組合と静岡県経済農業協同組合連合会2025年4月2日
-
【役員人事】農林中金全共連アセットマネジメント(4月1日付)2025年4月2日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年4月2日
-
【スマート農業の風】(13)ロボット農機の運用は農業を救えるのか2025年4月2日
-
外食市場調査2月度 市場規模は2939億円 2か月連続で9割台に回復2025年4月2日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」第2期募集開始 あぐラボ2025年4月2日
-
「八百結びの作物」が「マタニティフード認定」取得 壌結合同会社2025年4月2日
-
全国産直食材アワードを発表 消費者の高評価を受けた生産者を選出 「産直アウル」2025年4月2日
-
九州農業ウィーク(ジェイアグリ九州)5月28~30日に開催 RXジャパン2025年4月2日