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JAの活動:JA全国女性大会特集2017

【フレッシュミズ・松田香里さん】「無理をせず」継続 子どもと一緒の活動2017年1月22日

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JA全国女性組織協議会理事(宮崎県・JAはまゆう)松田香里さん

 JA全国女性組織協議会の理事の任期は2年。今年5月に任期を終えて理事を退任する松田香里さん(37)の活動を、地元の宮崎県串間市で取材した。JAはまゆうのフレミズは、同JAの女性部の「45歳以下」の部員全員を「フレッシュミズ」と位置づける規約を設けていることが特徴。12月30日に、フレミズだけでは初となるおせちづくりに取り組んだ。

フレッシュミズ・松田香里さん 宮崎県串間市串間駅近くのJAはまゆう串間支所内「婦人ふれあい館」で12月30日、同JAフレミズメンバーのおせちづくりが開かれた。おせちづくりは、旧串間市農協の女性部でも行われていた伝統ある行事で、JA合併後も、女性部からフレミズへと受け継がれている。これまでJAはまゆうの本所(日南市)で女性部とともに開いていたが、今回初めて支所ごとに、フレミズメンバーだけで開いた。
 朝9時から、参加するフレミズメンバーがパラパラと集まりはじめた。全員集まるのを待ってから料理教室を開始せず、集まれた人からどんどん調理をすすめていく。これは、仕事と育児を両立するフレミズの知恵だ。
 今回のおせちづくりを主導したのは同JA串間支所のフレミズリーダー吉松ちあきさん(42)。もともと料理好きで、平成25年に野菜ソムリエの資格を取得した。自宅はキュウリ農家で、夏の料理教室のときにも活躍した。
 今回のおせちづくりで使うレシピは、吉松さんが集めたものと「家の光」12月号のレシピだ。「家の光」は年をまたいだ12月号が数年分、積まれていた。「おせちづくりのため、毎年12月号は保管している」と話す。
 最終的に計10人のフレミズとその子どもたちが集まり、前日から仕込んだ筑前煮など、合計で13品を調理した。
 活動の特徴的部分は「子どもの参加」と「自然体のメンバー」だった。子どもは参加を強要されるのではなく、母の手伝いとして自ら参加する。そして遊びたくなったらエプロンをとって別の部屋で遊ぶ。
 「自然体のメンバー」は、調理をしながら世間話をする姿だ。栗きんとんに使うサツマイモの皮をむきながら、近くにいるメンバーと、子どもの進学の話を始める。生活の延長線上にフレミズの活動があった。
 前日に仕込んだ料理があったが、約3時間ほどであっという間におせちを作り終えた。

◆   ◆

 おせちを作り終えた松田さんに話を聞いた。

 ――フレミズだけでのおせちづくりは今回が初めて。これまでとの違いは?

全員で協力してつくったおせち。家族も満足 違いが2つあります。1つは本所ではなく串間支所で行っていること。
 串間市から本所の日南市までは車で往復2時間かかります。子どもを連れて毎回参加するには難しい距離。農家の仕事だってありますから。
 もう1つは、女性部の先輩方と何度もおせちづくりを経験して、自分たちのスキルも向上してきたこと。教えてもらってきたことを大切にしながら、きちんと自分たちの技術として根付かせていきたいと思いました。

 ――おせちづくりが始まったきっかけは?

 規格外のものを持ち寄ってつくろうという考えが発端です。今回の料理教室で使った野菜はほとんど自分たちで生産したものです。
 ただし、紅イモは生産者から購入しました。探すのが大変で、生産者の方に予約をしたものです。
 活動費は女性部の予算と、参加者の参加費です。参加費は必ず出すようにしています。

 ――他の活動や、大切にしていることは?

 フレミズの声かけをして非農家の人を中心にメンバーが一時期増えましたが、今は活動が減ってきて、年に2回から3回の活動です。フラワーアレンジメントや料理教室などが主ですが、子どもがそばにいてもできる料理や針を使わないでできる手芸などを選んでいます。子どもが連れてこれないとなると、メンバーも活動がしにくくなってしまいますから。
 農家の方にも是非参加してほしいと思いますが、奥さんが看護師などで勤務している共働きの家庭も増えてきています。自営業だと、フレミズのために仕事時間を前倒しするなど調整ができますが、難しい人が多いです。この活動が農家の女性にとって、外にでるきっかけになることは、昔も今も変わりません。環境にもよりますが、今でも仕事ばかりの生活を送っている人がいます。
 活動は、どのように家族の理解を得るかにかかっています。私たちは料理教室で作ったものをそこで試食せず自宅に持ち帰り、晩ご飯の一品にしています。今回のおせちもそうです。「女性部の活動に行ってくるよ」と家族に声をかけて、「これが活動でしてきたことだよ」と成果を夕食に出す。いなかった時間に作ったのだということが家族にわかりやすいですよね。
 それに料理教室を普段からしておくと、災害が起きたときにメンバーで協力してたきだしができます。これは、突然そのときにしようと思い立っても難しくて、日頃訓練ないとできないことかな、と思います。

 ――理事の任期が5月までと迫りました。経験して心に残っていることは何ですか?

 多くの人に出会えたことが大きいですね。全国の女性部、家の光、全国連の職員の方々...。
 勉強になったのは東京のフレミズメンバーと仲良くなって、都市農業を見学させてもらったこと。それまで東京に農業のイメージを持っていませんでしたが、植木や気候の違う場所の野菜を見せていただきました。
 任期が迫り、あっという間だったな、と思っています。理事の他、審査員などの役職の関係で月に1度は上京していました。理事に就任する際「家族の理解がないと難しい」といわれましたが、その理由が身にしみて分かりました。
 これからはフレミズ、そして女性部メンバーとして、次の世代に伝えることも大切にしていきたいと思っています。

◆   ◆

 松田さんは、子どもが成長するにつれて、保育園や小学校など活動の幅を大きく広げ、母親のフレミズも忙しくなり、残念ながら参加が減っているのが現状。フレミズの活動は無理をしないことが継続のポイントなので、日程や企画を考えながら、これからも活動を盛り上げていきたいと語った。
(写真)全員で協力してつくったおせち。家族も満足

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