JAの活動:挑戦・地域と暮らしと命を守る農業協同組合 女性がつくる農協運動
【第64回JA全国女性大会に寄せて】中家徹・JA全中会長 2019年1月22日
第64回JA全国女性大会が盛会に開催されますこと、心よりお喜び申し上げます。
はじめに、近年、大規模な自然災害が全国で続いておりますが、昨年も豪雪や豪雨、台風、地震などにより多くの被害に見舞われました。あらためて、一日も早い復旧・復興を祈念申し上げるとともに、今年こそは災害の無い、豊穣の一年となることを願ってやみません。
◇ ◇
3月開催予定の第28回JA全国大会に向けて、これまで検討をすすめてきており、「農業者の所得増大」、「農業生産の拡大」、「地域の活性化」、また、「アクティブ・メンバーシップの確立」へのさらなる挑戦などを、基本的考え方として確認しております。
女性の運営参画については、第27回JA全国大会決議において前回大会に引き続き、数値目標として、「女性役員2名以上」、「総代比率10%以上」、「正組合員比率25%以上」を掲げておりましたが、1月にとりまとめられた調査によれば、女性役員は目標達成したほか、総代比率は9.0%、正組合員比率は21.9%と着実に成果が出ている状況です。
そこで、今回の議案では、「役員比率15%以上」、「総代比率15%以上」、「正組合員比率30%以上」と、さらに高い目標を掲げることとしています。
組合員が多様化するなかで、従来にも増して、JAの事業や運営には女性の視点や感性が必要です。女性参画にあたっては、一歩踏み出す勇気をもっていただくことも必要ですが、それとあわせて、「女性参画が当たり前」という組織の風土づくりが重要であり、大会を契機にすすめていきたいと考えています。
◇ ◇
一方、日本農業の生産基盤は弱体化しており、食料自給率は引き続き過去最低水準となるなか、世界規模でも災害が多発し、世界全体の人口増加、新興国の急速な食生活の変化などにより、中長期には、世界的な食料需給ひっ迫の恐れがあります。また、TPP11や日EU・EPAなど、日本農業を取り巻く国際化も進展しています。
こうしたなか、政府による次期「食料・農業・農村基本計画」の見直しの議論が今後開始されることを想定し、今こそ、国民・消費者とともに議論し、JAグループとしての役割を発揮しつつ、食料安全保障の確立に向けた提起を行っていきます。
特に、生活者としての女性視点からの発信は重要です。JA女性組織では、従来からの食農教育や地産地消などに加え、「ニコ・ニコおむすび大作戦」など、発信力のある多様な取り組みもすすめられています。
国民全体への世論づくりをすすめていただくためには、なぜ食料自給率を向上させなければならないのか、これを特に意識いただいたうえで、継続した取り組みや情報発信をすすめていただきたいと思います。
◇ ◇
私は常々、「女性に見放されたJAに未来はない」と申し上げています。組合員は多様化し、地域別や世代別などでそのニーズは様々です。これに対し、JAでも、JA女性組織でも、全国で一律に対応することは難しく、それぞれの地域に根差した取り組みが一番重要です。
JAとともに活動されるJA女性組織が、今後さらにJAとの対話を重ねることで、JAの自己改革が後押しされ、JAが地域の農業とくらしになくてはならない存在となれることを確信しております。
全中といたしましても、9月末に一般社団法人に組織変更しますが、引き続き、地域・事業の枠を越えて連帯するJAグループの結集軸となり、JAグループが一枚岩となって地域とともに発展していけるよう、協同の力を発揮してまいります。
(写真)全国農業協同組合中央会 中家徹会長
重要な記事
最新の記事
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日
-
厚木・世田谷・北海道オホーツクの3キャンパスで収穫祭を開催 東京農大2024年11月22日
-
大気中の窒素を植物に有効利用 バイオスティミュラント「エヌキャッチ」新発売 ファイトクローム2024年11月22日
-
融雪剤・沿岸地域の潮風に高い洗浄効果「MUFB温水洗浄機」網走バスに導入 丸山製作所2024年11月22日
-
農薬散布を効率化 最新ドローンなど無料実演セミナー 九州3会場で開催 セキド2024年11月22日
-
能登半島地震緊急支援募金で中間報告 生産者や支援者が現状を紹介 パルシステム連合会2024年11月22日
-
徳島県産食材をまるごと楽しむ「徳島食の博覧会2024」30日から開催2024年11月22日
-
総供給高と宅配が前年割れ 10月度供給高速報 日本生協連2024年11月22日
-
森林の遮断蒸発 激しい雨の時より多くの雨水を蒸発 森林総合研究所2024年11月22日