JAの活動:平成30年度JA共済優績組合表彰
8年連続で全国目標達成 地域の活性化や農業経営に貢献するJA共済2019年5月16日
インタビュー市村幸太郎JA共済連経営管理委員会会長
JA共済連の普及推進において優秀な成績を残したJAを表彰する「平成30年度JA共済優績組合表彰」の日が今年もやってきた。少子高齢化や農業人口の減少がすすみ地域の疲弊化が叫ばれる中、JA共済大賞など優績組合表彰を受賞された組合をはじめ全国のJA役職員の努力の結果、平成30年度の普及推進においては、8年連続で推進総合目標の全国目標達成という成績を収めた。そこで、JA共済連の市村幸太郎経営管理委員会会長に聞いた。
市村会長
◆時代は変わっても農協の理念は変わらない
──平成30年度優績表彰受賞組合はじめJA共済事業関係者へのメッセージを。
今回、JA共済大賞をはじめとする優績組合表彰を受賞されるJA役職員の皆さまには心からお祝い申し上げます。
JA共済事業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しています。そうした中でも受賞組合はじめ全国のJA役職員の皆さまのご尽力のおかげで、平成30年度の普及推進においては、8年連続で推進総合目標の全国目標達成という輝かしい成績を収めることができました。
これは、皆さまの日々たゆまぬ努力、そして組合員・利用者との間で長年にわたり築き上げられた信頼の賜物です。心より敬意を表します。これを機に、組合員・利用者や地域住民の皆さまに対して、JAやJA共済事業の存在価値をより一層高めていただくことを期待しております。
今年5月から新しい元号、令和の時代が始まります。「令和」は音の響きが良く品位があります。日本経済は停滞していますが、日本国民それぞれが新たな気持ちでやっていこうという機運が高まると思います。
ただ、時代は変わっても農協の理念は変わりません。JAグループの「自己改革」の基本目標である「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」にJAが全力で取り組むうえでも、JAの経営安定は不可欠です。その上で、やはり共済事業と信用事業がしっかりすることが大切です。JAを取り巻く環境は厳しさを増していますが、JAと連合会が一体となって普及推進に取り組んだ結果が、8年連続での全国目標達成につながったのだと思います。
◆根気強くやってきた結果が実を結んだ
──平成30年度の普及推進結果を振り返ってどのように思いますか。
平成30年度は、普及活動方針として次の3つを定めて各種施策に取り組みました。一つ目は、事業基盤の維持・拡大に向けた、世帯内深耕と次世代層との接点強化、二つ目は「ひと・いえ・くるまの総合保障」の提供に向けた、エリア戦略の実践ならびに「ひと保障」を中心とした保障性仕組みへの取り組みの強化、そして三つ目に平成30年4月実施の仕組改訂を契機とした保障充実および満期契約にかかる保障の継続性の確保と次世代層への資産の継承です。
これらの普及活動方針にもとづく取り組みにより、新仕組みである生活障害共済を起点とした「ひと保障」の取り組み強化および建物更生共済「むてきプラス」への保障見直しがすすめられるとともに、既加入世帯全戸への「3Q訪問活動」および「あんしんチェック」を中心とした幅広い世代への推進活動を展開したことが、8年連続の全国目標達成実現につながったと考えています。
◆「創造的自己改革」へ不断の決意
──JA共済連の直面する課題の認識と「JAグループ自己改革」への対応についての考えを聞かせてください。
共済事業では、「JAグループ自己改革」の3つの基本目標を踏まえ、共済事業としての自己改革に向けた取り組みを展開しています。
(1)「農業者の所得増大」に向けた取り組み
農業を取り巻くリスクの見える化を図るため、タブレット端末(農業リスク診断システム)等を活用した農業リスク診断活動を展開するとともに、個人農業者・担い手経営体への保障提供に取り組んでいます。これからも引き続き農業経営の安定化に向けて、農業リスク診断活動の浸透・定着および農業者への保障提供の取り組みを強化します。平成30年3月20日に決めた平成31年度からの3か年計画では新たな取り組みとして、農業者の安全確保に向けた農作業事故の未然防止活動を展開します。
(2)「地域の活性化」に向けた取り組み
平成28年度に「地域・農業活性化積立金」を創設し、県域ごとのニーズに応じた共済事業としての地域活性化や農業経営に貢献する取り組みに活用されています。今次3か年計画でもこの積立金を引き続き活用し、「JAグループ自己改革」に向けた取り組みを強化します。
(3)JAの事務負担軽減に向けた取り組み
平成28年4月の生命共済へのペーパーレス・キャッシュレス手続きの導入を皮切りに、段階的に対象範囲の拡大に取り組んでおり、さらなる事務負担軽減に向けて取り組みを強化します。また、JAとの協議を踏まえて移行計画に基づいて、JA・連合会の自動車損害調査の業務分担見直しに取り組み、令和3年度末までに、全県において体制移行の完了を目指しています。
(4)JA支援機能の強化に向けた取り組み
平成27年10月に生命査定機能、平成28年10月に引受審査機能を全国8か所の業務センターへ集約することにより、JA指導・サポート部門に再配置可能な要員確保に取り組んでいます。今後も、JAの状況に応じたJA支援機能の強化に向け、業務効率化等に取り組みます。
「創造的自己改革」は、今だけにとどまらず、農業協同組合が存立する限り挑戦していかなければならないテーマです。共済事業における自己改革も、各連合会と一体となり、JAを支えていかなければなりません。JAと連合会の役割分担の見直しをはじめとするJAの事務負担軽減につながる取り組みを着実に実践することはもちろん、地域の活性化や農業経営に貢献する取り組みをさらに強化していきます。
◆3か年計画の初年度として「Start UP」を掲げる
──最後に、平成31年度の目標達成に向けてJAの取り組みに期待することは。
JA共済3か年計画における普及活動計画では、「地域特性に応じた推進計画の策定・活動の実践と、『ひと保障新規』を中心とした次世代・次々世代層への保障提供を強化することで、『人生100年3世代』に長く・広く・深くお役立ちするJA共済を実現する」ことを「基本的考え方」に掲げています。
この実現に向け、3か年計画の初年度である今年度は、普及活動方針として「Start UP」を掲げ、JAと連合会が一体となって環境整備および土台作りを意識しながら、新しい施策等に取り組んでいきます。
──国際情勢も、社会・経済情勢など事業を取り巻く環境が激変しており、長期的な見通しが難しい時代ですね。
社会・経済情勢の変化とともに、JA共済へのニーズも大きく変わっていくでしょう。したがって3か年計画以上に長期的に将来を見据え、共済事業の役割をよく見定めていかなければならないと思います。
われわれには、いかなる事業環境下であっても、最良の保障とサービスを提供するとともに、永続的に共済責任を全うする使命があります。
JA共済に携わる皆さんにとって、自分の仕事が、組合員・利用者にいかに貢献できるのかを考えることからやりがいが生まれると思います。組合員・利用者の笑顔を思い浮かべながら、どんな小さな業務も丁寧に扱い、常に挑戦する姿勢を持って日々の推進活動に邁進していただくことを願っています。
重要な記事
最新の記事
-
新春特別講演会 伊那食品工業最高顧問 塚越寛氏 社員の幸せを追求する「年輪経営」2025年2月5日
-
新春の集い 農業・農政から国のあり方まで活発な議論交わす 農協協会2025年2月5日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】通商政策を武器化したトランプ大統領2025年2月5日
-
「2024年の農林水産物・食品の輸出実績」輸出額は初めて1.5兆円を超え 農水省2025年2月5日
-
農林中金が短期プライムレートを引き上げ2025年2月5日
-
トラクターデモにエールを送る【小松泰信・地方の眼力】2025年2月5日
-
時短・節約、家計にやさしい「栃木の無洗米」料理教室開催 JA全農とちぎ2025年2月5日
-
規格外の丹波黒大豆枝豆使い 学校給食にコロッケ提供 JA兵庫六甲2025年2月5日
-
サプライチェーン構築で農畜水産物を高付加価値化「ukka」へ出資 アグリビジネス投資育成2025年2月5日
-
「Gomez IRサイトランキング2024」銀賞を受賞 日本化薬2025年2月5日
-
NISA対象「おおぶね」シリーズ 純資産総額が1000億円を突破 農林中金バリューインベストメンツ2025年2月5日
-
ベトナムにおけるアイガモロボ実証を加速へ JICA「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択 NEWGREEN2025年2月5日
-
鳥インフル 米オハイオ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年2月5日
-
鳥インフル ベルギーからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年2月5日
-
JA全農と共同取組 群馬県産こんにゃく原料100%使用 2商品を発売 ファミリーマート2025年2月5日
-
「食べチョクいちごグランプリ2025」総合大賞はコードファーム175「ほしうらら」2025年2月5日
-
新潟アルビレックスBC ユニフォームスポンサーで契約更新 コメリ2025年2月5日
-
農業分野「ソーシャルファームセミナー&交流会」開催 東京都2025年2月5日
-
長野県産フルーツトマト「さやまる」販売開始 日本郵便2025年2月5日
-
佐賀「いちごさん」表参道カフェなどとコラボ「いちごさんどう2025 」開催中2025年2月5日