JAの活動:年頭のあいさつ2020
雨宮 勇 氏(全国厚生農業協同組合連合会 経営管理委員会会長)2020年1月1日
地域住民の信頼につながる事業を展開し、地域社会の発展に貢献する
令和2年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。
JA組合員そして地域住民の皆様方には、日頃よりJA厚生事業にご理解とご協力を賜り厚く御礼を申しあげます。
昨年は自然災害が相次いで発生し、台風や豪雨による河川の氾濫や土砂災害は、農業をはじめ広範囲に甚大な被害をもたらしました。被災された皆様ならびにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申しあげます。皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申しあげます。
JA厚生連は、JAグループの一員として、組合員および地域住民の皆様が健康で豊かな生活を送ることができるよう、保健・医療・高齢者福祉事業に日夜取り組んでおります。
全国105の病院、60の診療所を運営しており、平成30年度においては、5万4000人の職員が1691万人の外来患者、956万人の入院患者、73万人の救急患者、2万件を超える出産等に対応しました。また、184万人の皆様に健康診断を実施いたしました。
さて、2025年における医療提供体制のあり方を示した地域医療構想の実現に向けて各地域の議論を促進するため、昨年9月、厚生労働省は、再編・統合等を含めた再検証を要請する公立・公的医療機関424病院(うち厚生連31病院)を公表しました。本会としては、再編・統合の結論ありきとなってはならないと考えており、今回の公表が、地域住民や職員の不安をあおり、事業に影響が生じるのではないかと懸念しております。地域の実情をふまえながら、将来も安心して暮らせるための医療提供体制を確保する必要があると考えております。
また、農村部の医師不足は依然として深刻な状況にあります。地域の医療提供体制を考えるうえでは、医師の地域偏在や診療科偏在を解消することが不可欠であり、医師の働き方改革により、地方では医師の確保がさらに困難になるおそれがあることから、引き続き、国等に対し政策要請を行ってまいります。
医療機関における消費税負担の問題についても、抜本的な解決には至っておらず、特に大規模設備投資を行った場合の負担が大きいなど、病院間で診療報酬の補填状況にばらつきがみられることから、その解消に向けて要請を行ってまいります。
さらに、厳しい経営環境の中、厚生連の経営悪化の未然防止や事業継続等を目的とする支援スキーム、これを実行するための本会の体制等について、昨年6月に「厚生事業審議会」に諮問し、12月に答申を得たことから、本年は、その実現に向けて取り組んでまいります。
農村部に多く立地しているJA厚生連の病院・施設は、都市部に比べ不利な条件にありますが、地域の開業医や病院団体、行政等と連携を取りながら、保健・医療・高齢者福祉事業を通じて、地域社会の発展に貢献していく所存です。
本年も、皆様方のより一層のご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申しあげます。
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