JAの活動:私の意見・提言 JAへエール
「今だけ、金だけ、自分だけ」から 「未来、命、万人」の協同組合活動に 富山県厚生連健康福祉課健康福祉アドバイザー 大浦栄次(第32回農協人文化賞受賞)【私の意見・提言JAへエール】2020年8月27日

本会・富山県厚生連は、「自分達が安心してかかれる吾らが病院を」と声を上げた途端、全国最大規模の全県医師会をあげての大反対運動、反産業組合運動・反産運動の嵐が2年半にわたって吹き荒れた。幾度となく押しつぶされながらも立ち上がり、ついに昭和11年に産業組合病院・現厚生連高岡病院(533床)として設立されたのである。
富山県は、全国の先進地の産業組合の医療事業を視察する中で、「小規模な病院では経営的にすぐに行き詰まる」との判断から、全国で初めて「全県の組合員を利用範囲とする」としたため、全県医師会員が、自らの生活権を脅かすとの思いからの大反対運動であった。
本会は、「医療の将来と未来を見通して、金のある者だけが医療を享受できるのではなく、生きる者全ての命を守り、病気でない自分も多くの人々のために5円、10円の出資」をして作られたのである。東大の鈴木宣弘先生が言われる「今だけ、金だけ、自分だけ」の〝3だけ主義〟に相対する「今だけ」ではなく「未来」に通じ、「金だけ」ではなく「命」が一番、「自分だけ」ではなく「万人」の幸せに通じること、つまり「未来、命、万人」の協同組合精神で設立されたのである。
ところで「未来、命、万人」と「今だけ、金だけ、自分だけ」との関係は、「今」を良くしてこそ未来があり、「自分」および自分の家族、そしてその地域をよくしてこそ万人の幸せに通じる。問題は「金」である。
ウルグアイの元大統領、ホセ・ムヒカ氏は、政治の世界で探すべきは「大きな心と小さな財布の持ち主だ」という。今の流れは、命を愛せない人が「金だけ」を愛している。
小生は現在1.5㏊の耕地のうち、野菜50品目以上22a、そば20aを平日の朝晩と土日に妻と畑の世話や農協の直売所への出荷の準備をする。多くを儲けるつもりはないが、少々のお金も入ってくる。
韓国農業は大規模化から「小農強農」に方針転換を始めた。日本は国として未だに「大規模化」に中心軸を置いている。小規模な畑仕事を始めてから、こまごまとした資材は農協の販売所にはほとんどなく、ホームセンターで調達する。小規模だと、体力に応じて規模を伸縮できる。小農は、高齢者には健康維持にも効能があり、福祉的な力もある。「未来、命、万人」を支える協同組合の力が今問われている。畑作業にコロナは無縁である。
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