JAの活動:緊急企画:JA対話運動~コロナ禍での協同~
6万人の声 未来へのパスポート 対話の蓄積が高い回収率に 静岡県JAとぴあ浜松(2)【JA対話運動】2020年9月1日
地域との結びつきを強める協同活動
![対話運動の蓄積を強調する鈴木専務](https://www.jacom.or.jp/noukyo/images/toku20090127_4.jpg)
100人余のLAが地域との絆に
一方、かねてから組合員との対話を大切にしてきたことも高い回収率につながっている。一部を紹介すると、平成18年に新設された「営農アドバイザー」は、1軒1軒の農家組合員の実状に寄り添いながら、オーダーメイド感覚で営農相談と技術指導を包括的にフォローしている。営農アドバイザーと農家組合員が二人三脚で「農業所得30%アップ」を目指す取り組みでは、開始からわずか6年間で、32.5%の農家が目標を達成するに至った。
また准組合員は「協同活動に参画する」という意識がどうしても薄くなりがちだ。そこで大切なのが日ごろの対話である。JA共済のLAは100人以上と万全の体制を整え、准組合員からの信頼の要となる支店窓口の職員教育もしっかり行っている。平成23年度からは「協同活動」として地域貢献活動にも取り組み、地域住民との関係性強化にも力を注いできた。
今回の調査では、同JAが職員学習会など徹底した事前準備のもと全役職員が一丸となって取り組んだことに加え、日ごろから対話運動を重点的に行ってきたことが相乗効果となって、目標の70%を大きく上回る、85.6%という高い回収率を実現したといえよう。
組合員との対話で職員が成長
当時、経営企画部長として調査を主導した鈴木利幸代表理事専務は、調査の成果として、組合員とJAの距離が縮まったことをあげる。「当JAではこれまでも対話を事業の柱としてきたが、どこか提案中心になっていたように思う。全組合員調査が、組合員から本音を聴く、本当の"対話運動"になり、組合員もJAをより身近に感じてくれるようになったと感じている」。同JAでは調査から上がってきた組合員の意見や要望を経営管理委員会に報告し、次期3か年計画に反映させている。
一方で、職員にも大きな変化があった。これまでは自分の業務以外のことには興味がなかった職員も、事前勉強会や、組合員へのヒアリングを通して、他部署の業務を理解し、総合事業の強みと弱みを認識するようになったという。全組合員調査は、結果の数値以上に、大きな成果を挙げているようだ。
コロナ禍の「分断」を食い止め
現在、新型コロナウイルスによる「分断」が各地域で起きている。新しい生活様式にJAはどう対処すればよいのだろうか。「訪問活動が限られるなか、JAは苦しい立場にあるのは確か。しかし、それでも組合員との関係性が壊れないのは、連綿と続けてきた対話運動の蓄積があるからだ。コロナで物理的な距離が生まれても、強い信頼関係で結ばれた組合員との、心の距離は拡大しない」(鈴木専務)。
厳しい状況の今だからこそ、対話運動の重要性が浮かび上がる。「調査の結果は、地域に必要とされるJAとしての"未来へのパスポート"をいただけたものと受け止めている。一度立ち止まり、自分たちを見つめ直すよい機会。野菜も適度のストレスを与えると甘く美味しくなるように、コロナ禍という逆境が、私たちをまた一つ成長させてくれるのではないか」。鈴木専務は対話運動の成果からJAの未来をみる。
6万人の声 未来へのパスポート 対話の蓄積が高い回収率に 静岡県JAとぴあ浜松(1)
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