JAの活動:JA緊急アンケート
求められる営農支援【コロナ対策に学ぶ(3)】2020年9月1日
消費減で農産物価格低迷
新型コロナウイルス感染症に関する緊急アンケートでは、「今、組合員が営農面で最も困っている事は何か」について調査した。結果は、「消費減退で農産物が売れず、価格低迷している」52.5%、「部会や集落座談会が中止になり、また職員の訪問がなく、農協の情報が入らない」39.8%、「営農に必要な雇用労働力が確保できない」27.6%、「経営持続化給付金や制度資金を利用したいが、使い勝手が悪い」18.2%、「資金繰り、運転資金確保が難しい」17.1%、「農協サービスを受けにくくなった(営農指導等)」14.4%であった。その他としては、価格低迷での農業所得減少、外食産業低迷で今後が懸念、直売所休業で販売先縮小、肉牛価格低下、乳製品消費低迷、マスクでの作業が苦しい等であった。
各品目の問題点が浮き彫り
稲作・露地野菜・施設野菜・花き・果樹・酪農・繁殖牛・肥育牛・その他の作物での問題点と解決方法についても調査した。
そこでは、品目ごとに多くの問題点があげられた。例えば、(1)労働力・後継者不足、(2)外食・給食用の需要低下等の動向で消費・価格低迷懸念、(3)イベント縮小・中止による需要低迷、(4)今後、米の過剰が想定、(5)外食業のキャンセルによる過剰在庫、(6)離農による耕作放棄地増加、(7)消費促進・輸出の懸念、(8)子牛・枝肉価格の低迷・上位等級の単価安、(9)外国人実習生が来ない・作付できない等である。
それらに対する解決策についても、品目ごとにそれぞれで、例えば、(1)販売先・系統組織との連携強化による安定需要の確保、(2)法人・集落営農への委託、(3)非主食米の作付け転換、(4)行政連携の労働力確保・代替人材の投入・次期策の作付面積の見直し、(5)販路確保への交渉・地元需要への対応、(6)市場情報提供・取扱市場と直販の拡大・消費量増加対策、(7)消費拡大PR・農協で買い取り販売、(8)農協独自の営農支援・助成・販売促進、(9)外国人労働者に代わる地域住民の労働者確保対策等である。
所得増への営農支援を
農協の使命である「農家組合員の営農を守る」ためには、農業所得増への営農支援が強く求められている。特に、農家手取り増に向けた農協による多様な販売戦略を展開することである。多様な販売戦略とは、(1)農産物直売所による販売、(2)インショップによる販売、(3)量販店との直接販売、(4)消費者への定期宅配販売、(5)インターネット販売などである。
また、外国人労働者に代わる地域住民の労働者確保対策としては、農協による労働力確保事業(労務者確保・派遣、非農家・バイト確保等)の取り組みが求められる。さらに地産地消の産地化を進める担い手対策は重要である。それは、農協による(1)栽培した農産物は責任を持って販売、(2)栽培した農産物の商品化(消費者サイズのパッケージ化等)、(3)栽培した農産物の運送、(4)栽培する苗の提供、(5)栽培に必要な農業資材の提供や農業機械・施設の共同化、(6)規模拡大に必要な農地の紹介、(7)消費者に対する生産者の顔が見える安全・安心の品質保証の栽培・出荷指導や情報提供、(8)消費者への品質保証や損害賠償等、農協が積極的かつ責任持って営農支援することである。
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JA緊急アンケート
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