JAの活動:JA緊急アンケート
コンビニ機能店舗を【コロナ対策に学ぶ(4)】2020年9月2日
新型コロナウイルス感染症に関する緊急アンケートでは、「今、組合員が生活面で最も困っている事は何か」を調査した。結果は、「三密の自粛で農協の施設(冠婚葬祭、各種イベント)が利用できない」40.3%、「農協サービスを受けにくくなった(介護、配達等)」14.4%であった。
コロナ禍で国民の危機意識が高い今は、「食料自給率向上と生活インフラを支える農協事業の持続的開発(農協のSDGs活動)」に取り組む絶好の機会・チャンスであると受け止める時である。
高齢者の買い物を支援するJAの移動購買車
総合ライフラインの確保
アンケート調査での「コロナ禍から得た教訓」「コロナ禍で考えさせられた農協の役割」では、(1)地域インフラ事業継続・中山間地域の生活を支え、就農希望者等の定住推進、(2)今後も農協自己改革を継続し、利用者に安全・安心の農産物の提供、要望される信用・共済サービスの提供等、総合事業の経営を持続することで地域に貢献する事が役割、(3)組合員に本当に必要なサービスは何かを考え必要とされる農協づくり、(4)ライフラインと組合員の安定した暮らしを守り、地域に不可欠な組織でなければならない、(5)地域のライフラインとして農協の総合力をもって臨む等の多くの教訓と役割があげられた。
さらに、経済産業省によると、「現在、買物弱者は、全国で約700万人存在すると推計される」(平成 27 年 4 月公表)とした。この買い物弱者とは、経済産業省は、「住んでいる地域で日常の買物をしたり、生活に必要なサービスを受けたりするのに困難を感じる人たちの事」と定義し、「今後は農村・山間部に加え、大都市やベッドタウン、地方都市でも問題が深刻化する可能性が高い」としている。
買い物弱者の解消へ
農村地域の産業・生活インフラを支える農協の役割は、買い物難民・買い物弱者問題を解決する農協の社会的存在意義となる。「組合員の暮らしを守る生活インフラ総合サービスを実現する」には、農協総合サービス・コンビニ機能店舗を実現することである。
今の農協の総合事業は、さまざまな事業を展開しているが、利用者に利便性のある総合サービスを提供しているとは言えない。その訳は、農協の総合事業は、個々の事業が、それぞれの担当窓口に行かなければ利用できないことにある。そのため、複数の農協事業を利用したい利用者は、それぞれの窓口に何度も行って手続きをしなければならない。
総合サービスを提供する新たな農協コンビニ機能店舗を展開するためには、組合員・利用者が自ら行うセルフサービス型の農協事業を開発しなければならない。
その店舗は、(1)基本総合サービスとして信用・共済・経済事業の利用、(2)行政サービスや宅配サービス等の既存の大手コンビニチェーンが提供している付加サービスの利用、(3)農村高齢者が利用する介護用品等の高齢福祉サービスコーナーや高齢農業者のための農業資材コーナー、(4)セルフ販売事業コーナー、(5)地産地消の農産物直売コーナー、(6)組合員情報コーナー、(7)組合員交流コーナー、(8)セルフサービス給油所併設、(9)カラオケの居酒屋あるいは酒の持ち込み可能なカラオケ・パブ併設等、組合員コミニケションセンター機能を有するものでなければならない。
こうした農協総合サービス・コンビニ機能店舗は、市町村の大字単位で全国各地に設置され、組合員が全国の農協コンビニ店舗を利用できる姿の実現が求められている。
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